
喪失を抱えたボンドに残されたのは、任務か、それとも復讐か?
ボンドが謎の組織に挑む人気シリーズ第22弾。
基本情報
| 原題名 | Quantum of solace |
| 制作国 | イギリス/アメリカ |
| 制作年度 | 2008年 |
| 上映時間 | 1時間46分 |
| 監督 | マーク・フォスター |
あらすじ
ジェームズ・ボンドはミスター・ホワイトを尋問するが、MI6内部の裏切りが発覚し、ホワイトを逃がしてしまう。
しかし、裏切者が所持していた紙幣を手掛かりに、世界的な陰謀組織の一員である実業家ドミニク・グリーンにたどり着く。
グリーンは環境保護を装いながら、ボリビアの元独裁者メドラーノ将軍のクーデターを支持し、水資源を独占しようと企んでいた。
ボンドは家族をメドラーノに殺された女性カミーユと手を組み、それぞれの復讐を果たすため危険な任務に身を投じる。
登場人物とキャスト
| ジェームズ・ボンド [MI6エージェント] 演:ダニエル・クレイグ 生年月日 1968年3月2日 |
| カミーユ「ボリビア情報部のエージェント] 演:オルガ・キュリレンコ 生年月日 1979年11月14日 |
| ドミニク・グリーン [グリーンプラネットのCEO/犯罪組織「クワンタム」の一員] 演:マチュー・アマルリック 生年月日 1965年10月25日 |
| M [MI6局長] 演:ジュディ・デンチ 生年月日 1934年12月9日 |
| フェリックス・レイター [CIAエージェント] 演:ジェフリー・ライト 生年月日 1965年12月7日 |
| ストロベリー・フィールズ [MI6エージェント] 演:ジェマ・アータートン 生年月日 1986年2月2日 |
| ミスター・ホワイト [犯罪組織の幹部] 演:イェスパー・クリステンセン 生年月日 1948年5月16日 |
| ルネ・マティス [元MI6エージェント] 演:ジャンカルロ・ジャンニーニ 生年月日 1942年8月1日 |
感想(ネタバレあり)
ジェームズ・ボンド
ヴェスパーの死によって自制心を抑えることができなくなったボンドは、相手かまわず手を下します。
前作「カジノ・ロワイヤル」で、ヴェスパーの恋人がどうなってしまったのかと書きましたが、意外な形で登場しました。
何と恋人(ユセフという名前)は、ヴェスパーを利用していたのです。
しかも、ヴェスパーだけでなく、カナダの情報局員コリーヌまでだましていました。
コリーヌの首には、ヴェスパーがユセフから贈られたものと同じデザインのペンダントが・・・。
これはボンドじゃなくても、はらわたが煮えくり返ってしまいます。
しかし、ボンドはユセフを殺さず、MI6に引き渡すことに。
ヴェスパーのペンダントを雪の中に捨てて、立ち去るボンド。
過去と決別し、前進する決意を固めたボンドがかっこよかった!
それにしても、色男に引っかかるヴェスパーとコリーヌ。
もし不細工な女性なら、「こんな色男が私を好きになるはずがない」と警戒します。
しかし、美女の場合、「色男にモテて当然」という自信があったんでしょうよ。
ボンドガール
● ストロベリー・フィールズ
MI6エージェントのストロベリー・フィールズは、ボンドをロンドン行きの飛行機に乗せる任務を任されます。(コードネームは、ビートルズの「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」(1967年発売)から)
しかし、ボンドの魅力には勝てず、親密な関係に。
その結果、グリーン一味によって全身にオイルを塗られ、殺されてしまいます。(これは「007/ゴールドフィンガー」(1964年)の全身に金粉を塗られて死亡するボンドガールのオマージュ)
前作に続き、ボンドのせいで死んでしまうボンドガール。
フィールズの死体を目の前にしても、顔色ひとつ変えないボンドが憎たらしいです。
● カミーユ
ボリビア情報局エージェントのカミーユは、家族をメドラーノ将軍に殺されたため、復讐を果たそうとします。
ボンドガールなのに、ボンドと恋愛関係にならないのがいい!
この世に存在する全ての女性が、ボンドを好きになるわけではありませんから。
一つ気になったのが、カミーユが茶色のファンデーションを塗っていたこと。(細かいことが気になってしまう)
母親がロシア人という設定なので、別にボリビア人に見えるようにしなくてもよかったのでは?
悪役
● ミスター・ホワイト
前作「カジノ・ロワイヤル」で、ミスター・ホワイトを捕らえたボンド。
しかし、MI6内部に裏切者がいたため、ミスター・ホワイトに逃げられてしまいます。
その後の行方は分からず。
次回に期待。
● ドミニク・グリーン
今回の悪役は、表の顔はグリーンプラネットのCEO、裏の顔は犯罪組織「クワンタム」の一員のドミニク・グリーンです。
けれど・・・地味。
悪役としては少々物足りない。
基本はビジネスマンなので、肉体派のボンドと戦っても勝てるわけがない。
奇声を発しながら戦うも、あっけなく敗北してしまいます。
ボンドはエンジンオイルの缶を渡し、グリーンを砂漠に放置。(普通に殺すよりむごい)
その後、グリーンは遺体で発見されます。
後頭部には2発の銃弾の跡。
そして、胃の中にはエンジンオイルが。(オイルを飲むほど喉が渇いていた)
きっと「クワンタム」に処刑されたに違いない。
グリーンよりも気になったのが、手下のエルヴィスですよ。
あの変な髪形。
どうしても目がそっちに行ってしまいます。
それだけならまだしも、フィールズに足を引っかけられて階段から転落した時に・・・ん?あれ?カ・・・カツラ?
ほんの一瞬でしたが、カツラがポロリ。
何これ?
どういう演出?
コメディ映画じゃ・・・ないわよね?
謎のカツラポロリ設定。
悪ノリしすぎです。
見終わった後、一番印象に残ったのが「カツラポロリ」だなんて、やめてほしい。
脇役
● M
Mのボンドに対する小言が止まりません。
フィールズが死んだ時も、「大した魅力ね。女は皆言いなり。何人死なせた?」と嫌味たっぷり。
けれど、「ひどい顔。眠ってないの?」と心配する優しい一面も。
今回は、ボンドがMをどう思っているのか、垣間見れるシーンがありました。
カミーユに「なぜグリーンに興味を持ったのか?」と尋ねられたボンドは、「友達の命を狙ったから」と答えます。
カミーユ「女性?」
ボンド「ああ。だが恋人じゃない」
カミーユ「ママ?」
ボンド「それに近い」
ボンド流のジョークなのかもしれないけれど、Mのことを「友達であり、ママのようだ」なんて、かわいいぞ。
ボンドにとってのボンドガールは、Mだったりして。
● ルネ・マティス
引退して悠々自適の生活を送っていたのに、ボンドの依頼で再び現場へ。
けれど、グリーン一味に殺されてしまいます。
「ヴェスパーを許してやれ。自分自身も許せ」
そう言って、息を引き取るマティス。
イケオジは死ぬ間際までかっこいい。
それなのに、遺体を無造作にゴミ箱に放り投げるボンド。
滅多に表情を変えないカミーユが、目を見開いていましたよ。
なぜゴミ箱に放り投げたのか?
ボンドは任務を優先させたかったに違いありません。
後でMI6にマティスの遺体を回収するよう頼んだと思う・・・そうあってほしい。
● フェリックス・レイター
CIAの南米部長ビームの部下として登場。
前作同様、ボンドに情報を流して協力します。
「友達はいない」と断言していたボンド。
レイターがいるじゃない。
総評
前作の「カジノ・ロワイヤル」と比べると、少々物足りなさを感じました。
特にアクションシーンが分かりにくく、カットが早すぎて目が追い付かなかった!
「007」シリーズにおいてアクションは重要なだけに残念。

