映画「インセプション」感想 ネタバレなし&あり

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夢か現実か?
圧倒的な映像美で、見る者をインセプションの世界へいざないます!

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原題名Inception
制作国アメリカ
制作年度2010年
上映時間2時間28分
監督クリストファー・ノーラン

ドム・コブは、他人の夢に潜入して潜在意識から機密情報を盗み出す産業スパイだった。

そんな彼の前に実業家のサイトーが現れ、情報を盗むのではなく、ある考えを相手の潜在意識に植え付けてほしいという依頼を持ちかける。

ターゲットは競合会社の跡継ぎであるロバート・フィッシャーだった。

コブは仲間たちと共に危険なミッションに挑むが、作戦を大きく狂わす出来事が起きる。

ドム・コブ [エクストラクター]

演:レオナルド・ディカプリオ
生年月日 1974年11月11日
サイトー [実業家]

演:渡辺謙
生年月日 1959年10月21日
アーサー [ポイントマン]

演:ジョセフ・ゴードン=レヴィット
生年月日 1981年2月17日
モル・コブ [コブの亡き妻]

演:マリオン・コティヤール
生年月日 1975年9月30日
アリアドネ [アーキテクト]

演:エレン・ペイジ
生年月日 1987年2月21日
イームス [フォージャー]

演:トム・ハーディ
生年月日 1977年9月15日
ユスフ [ケミスト]

演:デイリープ・ラオ
生年月日 1973年7月29日
ロバート・フィッシャー [巨大企業の後継者]

演:キリアン・マーフィ
生年月日 1976年5月25日

映画のタイトル「インセプション」は”植え付け”という意味です。

主人公のドム・コブは、他人の夢の中に入り、秘密を探り出す産業スパイでした。

そんな彼の前に実業家のサイトーが現れ、「競合会社のトップが余命わずか。もうじき跡を継ぐ彼の息子に、父親の会社を解体するという考えを、夢の中で”植え付け”てほしい」と依頼されます。

コブは仲間と共に任務に挑むものの、一筋縄ではいかない出来事が待ち受ける・・・というのが大まかなストーリーなのですが、少し分かりづらい。

前半はルール説明が多く、初見で全部理解するのは難しいです。

けれど、理解できなくても大丈夫。

流れに身を任せ、感覚で楽しんで下さい。

見終わった後、もう一度細部を確認したくなること間違いなしの映画です。

おさらい

インセプションの世界を、簡単におさらいしてみたいと思います。

場所時間ドリーマー目的
現実世界飛行機の中約10時間ロバートを眠らせる
夢の世界
第1階層
雨の街約1週間ユスフロバートに跡継ぎ問題を意識させる
夢の世界
第2階層
ホテルの中約6か月アーサー跡を継ぐことが正しいのか疑問を抱かせる
夢の世界
第3階層
雪山にある病院約10年イームス跡を継ぐのではなく、自分の道を進むというアイデアを植え付ける

ドリーマーとは?

その階層の夢を提供している人のこと。

夢から覚める方法は?

キックする=衝撃で目が覚める。

第1階層→バンの落下、着水。

第2階層→エレベーターの落下と爆破。

第3階層→病院の爆破。

どうやって「キック」だと分かるのか?

音楽を合図にする。

エディット・ピアフ「水に流して/私は後悔しない」(1960年)が流れる。

夢の中で死ぬとどうなるのか?

虚無の世界へ落ちる。

虚無とは何か?

潜在意識以外、何もない世界。

虚無の世界から抜け出す方法は?

自ら命を絶つ。

現実か夢かを見極める方法は?

トーテムを持つ。(小さくて重みがあり、携帯できるもの)

コブのトーテムはコマ。(現実では止まる。夢の中ではいつまでも回り続ける)

ちなみに、アーサーのトーテムは赤いサイコロ。

アリアドネはチェスの駒でした。

ロバートがかわいそう

一番かわいそうだったのがロバートですよ。

”植え付け”されているなんて、本人は全く気づいていないんですから。

ロバートは父親と確執がありました。

コブはロバートの会社をつぶすため、父親と和解し、敷かれたレールではなく自分の道を切り開くよう”植え付け”します。

第3階層でロバートが父親と和解するシーンが切ない。

幼少時代の思い出の風車が金庫の中にあるのを見つけ、思わず涙を流すロバートの顔といったら!

一気に無防備な表情になるのがかわいい。

このシーンだけでも映画を見る価値は十分にあります。

ずっと父親に嫌われていると思っていたロバート。

本当は愛されていたことに気づくんですよね。

けれど、これは全部コブたちが作り上げた夢。

実際は父親がロバートのことを愛していたかどうかは分からない。

目覚めた後も、ロバートはコブたちのことを全く覚えていないんですよね。

他人が夢の中に出てきても、目覚めると、その人がどんな顔をしていたのかは覚えていないものです。

勝手に”植え付け”され、会社を解体させられたロバートがかわいそう。

夢か現実か?

コブの妻モルは、長い間夢の世界で過ごしたため、夢か現実かの区別がつかなくなってしまっていました。

そのためコブは「ここは現実じゃない。戻るには死ぬしかない」というアイデアを”植え付け”ます。

その結果、モルは現実に戻った後も、この世界は本物ではないと思うようになります。

そして、命を絶ってしまうのです。

コブとモルが夢の中にいた期間は50年!

しかし、現実世界だと1日にも満たないと思います。(さすがに1日以上眠るのは難しいと思うので)

50年・・・。

モルの精神が危うくなってしまうのも無理はありません。

むしろコブの精神が正常なことがおかしいです。

ラストシーンの意味

仕事を成功させて子供たちのもとへ帰ったコブは、現実か夢かを確かめるためにコマを回します。

しかし、コマが止まるのか回り続けるのか分からないまま、映画は終わってしまいます。

さて、ラストは現実なのか夢なのか?

観客に判断を委ねるという心憎い演出です。

私は現実だと思います。

理由は3つ。

● コブの子供たちが振り向く。(夢の中では背を向けている)

● 結婚指輪をはめていない。(夢の中では結婚指輪をはめている)

● マイルス(モルの父親)が登場する。(夢の中では登場しない)

問題はコマが止まるか回り続けるかではなく、コブがコマの行方を見届けなかったことにあるのではないでしょうか。

コブにとって子供たちこそが現実なのですから。

難解な設定と映像美につい目が行きますが、この作品のテーマは”罪悪感からの解放”

「自分を許して現実と向き合う」に尽きるのではないでしょうか。