映画「天使と悪魔」感想・レビュー|ネタバレあり

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「ロバート・ラングドン」シリーズ第2弾。
宗教VS科学?

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原題名Angels & Demons
制作国アメリカ
制作年度2009年
上映時間2時間18分
監督ロン・ハワード

バチカンでは、新しいローマ教皇を選出する「コンクラーベ」が行われようとしていた。

そんな中、スイスの研究所から反物質が盗まれる事件が発生する。

さらに、教皇候補である4人の枢機卿が誘拐され、「反物質を使った爆弾を仕掛けた」という脅迫状が届く。

ハーバード大学宗教象徴学教授のロバート・ラングドンは、科学者のヴィットリア・ヴェトラと共に、誘拐された枢機卿たちを救出し、爆弾を捜し出すために奔走する。

ロバート・ラングドン [ハーバード大学宗教象徴学教授]

演:トム・ハンクス
生年月日 1956年7月9日
ヴィットリア・ヴェトラ [CERN(欧州原子核研究機構)の科学者]

演:アイェレット・ゾラー
生年月日 1969年6月28日
パトリック・マッケンナ/カメルレンゴ [前教皇侍従]

演:ユアン・マクレガー
生年月日 1971年3月31日
リヒター [スイス衛兵隊の隊長]

演:ステラン・スカルスガルド
生年月日 1951年6月13日

ローマなのにスイスの衛兵?

映画を見ていて、気になったことが一つ。

バチカンを守っているのが、イタリアの衛兵ではなく、スイスの衛兵であるということ。

なぜスイスの衛兵なのか?

スイス衛兵隊は、1506年、教皇ユリウス2世によって創設されました。

16世紀当時、スイス兵は勇敢で規律正しいことで知られおり、教皇の護衛として採用されたのです。

それから500年以上経った今も、その伝統が受け継がれています。

原作によると、衛兵になるには以下の条件が必要です。

● スイス国内の4つのカトリック州から集められる。
● 19歳から30歳までのスイス人男子。
● 身長174センチ以上。
● スイスで兵役を経験したことがある。
● 独身者でなければならない。

<参考文献>「天使と悪魔」角川書店 ダン・ブラウン(著)越前敏弥(翻訳)

シャルトランが気になる

メインキャストじゃないのに、スイス衛兵隊の少尉シャルトランのことが気になる。

常にラングドンのそばにいるので、目立って仕方がない。(しかもイケメンだし)

それに、おっちょこちょいなところが、とてもかわいい。

● おっちょこちょいシーン その1

記録保管所で、ラングドンとヴィットリアを監視するシャルトラン。

ところが、ほんの一瞬よそ見をした隙に、ヴィットリアがガリレイの「真実の図表」の本からページを破り取り、ポケットに隠してしまいます。

シャルトランはそのことに気づかず。

監視しているはずなのに、肝心なところを見逃がしてしまっているではないか。

● おっちょこちょい その2

再びラングドンと一緒に、記録保管所の書庫の中へ。

しかし、閉じ込められてしまいます。

酸欠で気を失ってしまうシャルトラン。

ラングドンがシャルトランの持っていた銃でガラスを割り、無事脱出に成功。

銃を持っているなら、さっさと撃ちなさいってば。

脱出後に、たばこをふかしている姿がかわいかったので許しましょう。

その後は、犯人を追いつめたりと活躍してくれるので、おっちょこちょいは帳消しです。

ベルニーニ

前作はレオナルド・ダ・ヴィンチの暗号が使われていましたが、今回はジャン・ロレンツォ・ベルニーニです。

マイナー・・・ですね。

いや、有名ですけど、世間一般的にはマイナーじゃありませんか。

有名なミケランジェロにした方がよかったのに。

しかし、ローマ市内にはベルニーニの作品が多いので、ストーリー上、好都合だったんでしょうよ。

さて、秘密結社イルミナティは、4人の枢機卿を誘拐します。

そして、科学の基本元素である土、空気、火、水の順番に、彼らを殺害しようとします。

元素関連する場所殺害方法
土聖マリア・デル・ポポロ教会の「キージ礼拝堂」
別名「土の礼拝堂」
ベルニーニの彫刻「ハバククと天使」
土の中に埋められて死亡
空気ベルニーニの建設「サン・ピエトロ大聖堂」の広場
ウエスト・ポネンテ(西風)を表すレリーフ(※ベルニーニ作ではない)
肺に穴をあけられて死亡
火聖マリア・デッラ・ヴィットリア教会
ベルニーニの彫刻「聖テレジアの法悦」
火あぶりにされて死亡
水ナヴォーナ広場
ベルニーニの彫刻「四大河の噴水」
水に沈められる

4番目の枢機卿バッジアは、ラングドンが間一髪助けます。

ラストはバッジアが新しい教皇に!

バッジアと、新たにカメルレンゴに就任したシュトラウスが、ラングドンに「真実の図表」をプレゼント。(ヴィットリアがページを破った例の本)

新教皇の命の恩人なのだから当然です。

ただし、「君の死後は返してね」と念を押されてしまいます。

そりゃそうよね。

それにしても、シュトラウスは、ヴィットリアが本のページを破ったことを知っているのだろうか・・・。

原作との違い

原作では、4番目の枢機卿バッジアは、殺害されます。

新教皇になったのは、サヴェリオ・モルターティ。(モルターティは映画には登場しない)

ちなみに、ラングドンに本をプレゼントしたのはシュトラウスではなく、イケメンのシャルトラン。(シュトラウスは原作には登場しない)

しかも、「真実の図表」ではなく、「イルミナティ・ダイヤモンド」なるもの。

かなり改変されています。

スーパー暗殺者

実行犯である暗殺者の男がすごいです。

CERNに潜入して科学者を殺害し、反物質を強奪。

4人の枢機卿を誘拐、監禁、殺害。

しかも、手の込んだ方法で殺害していて、それを全部1人でやってのけています。

4人の枢機卿をどうやって誘拐したのか、映画では描かれていません。

監禁場所として使われていたサンタンジェロ城とバチカンは秘密の通路でつながっているため、それを利用したのかも。

しかし、暗殺者は黒幕が用意した車のエンジンをかけた瞬間、爆死してしまいます。

黒幕が直接、車に爆弾を仕掛けたとは思えない。

となると、誰かに頼んだことになります。

暗殺者の口を封じたわけですから、その者についても口封じする必要があるのでは?

原作との違い

原作では、暗殺者はラングドンとヴィットリアに突き飛ばされ、崖から転落して死亡しています。

黒幕は?

黒幕は誰なのか、序盤ですぐに分かってしまいます。

あまりにも分かりやすすぎる。

リヒターが黒幕なのではないかというミスリードがありましたが、怪しすぎて逆に違う。

カメルレンゴが悪目立ちしすぎていて、バレバレでした。

なぜカメルレンゴは、一連の事件を起こしたのか?

それは、前教皇が科学と宗教の共存を示唆したから。

カメルレンゴにとって、それは神を冒涜する以外の何ものでもなかったのです。

カメルレンゴは教皇を毒殺。

イルミナティの犯行に見せかけて、4人の枢機卿を誘拐します。

そして、反物質を使ってバチカンを爆破するというシナリオを作り、その危機からバチカンを救えば、世界は再び神の力を信じるようになると考えたのです。

ちなみに、反物質が隠されていた場所は、聖ペテロの墓。

墓はサン・ピエトロ大聖堂の地下にありました。

ペテロはイエス・キリストの最初の信者で、初代のローマ教皇です。

神聖な場所に反物質を隠すことで、科学が宗教を抹殺しているように見せかけたのです。

神への思いが強すぎるあまり、ついには殺人にまで手を染めてしまったカメルレンゴ。

しかし、その実態は、自らの考えを神の意志だと思い込んだ、狂信者に過ぎませんでした。

前作でバチカンを敵に回したラングドンが、バチカンのために事件を解決するというのが面白いです。

しかし、黒幕の正体については、すぐに分かってしまうという点も。

それに、ベルニーニというのも、ダ・ヴィンチと比べるとインパクトが弱かったように思います。

しかし、ローマ観光の気分を味わえるという点では面白かったです。