
「ロバート・ラングドン」シリーズ第3弾。
人類を救う鍵は地獄!
基本情報
| 原題名 | Inferno |
| 制作国 | アメリカ |
| 制作年度 | 2016年 |
| 上映時間 | 2時間1分 |
| 監督 | ロン・ハワード |
あらすじ
ハーバード大学宗教象徴学教授ロバート・ラングドンは、イタリアのフィレンツェの病院で目を覚ますが、記憶を失っていた。
何者かに命を狙われたラングドンは、医師シエナの助けで病院を脱出。
やがて2人は、大富豪の生化学者ゾブリストが、人類の半数を滅ぼすウィルスを散布させようとしていることを知る。
ラングドンはシエナと共に、世界滅亡を阻止すべく奔走するのだった。
登場人物とキャスト
| ロバート・ラングドン [ハーバード大学宗教象徴学教授] 演:トム・ハンクス 生年月日 1956年7月9日 |
| シエナ・ブルックス [医師] 演:フェリシティ・ジョーンズ 生年月日 1983年10月17日 |
感想(ネタバレあり)
ダンテの暗号
1作目の「ダ・ヴィンチ・コード」は、レオナルド・ダ・ヴィンチ。
2作目の「天使と悪魔」は、ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ。
そして、3作目に登場する暗号が、ダンテ・アリギエーリです。
しかし、前2作に比べると、無理やりダンテにした感が否めません。
だって、ダンテがほとんど登場しないのですから。
「地獄の見取り図」は、ダンテの「地獄篇」を絵にしたものです。
だから、ダンテがかろうじて登場。
「地獄の見取り図」には、CATROVACERのアナグラムと、ゾブリストの言葉「真実は死者の目を通してのみ見える」が加筆されていました。
CATROVACERを並べ替えると、Cerca Trova「尋ねて見出せ」
ヴェッキオ宮殿の五百人広場にある「マルチャーノの戦い」の絵の中の小さな緑の旗に、CERCA TROVAと書かれています。
ダンテは全然関係ない。
ようやくダンテが単独で登場。
ヴェッキオ宮殿には、ダンテのデスマスクが展示されていました。
ラングドンと友人のイニャツィオがデスマスクを盗み、サン・ジョヴァンニ洗礼堂に隠したことが判明します。(ラングドンは記憶を失って覚えておらず)
デスマスクの裏には、文字が書かれていました。
裏切り者のヴェネツィアの総督を探せ。
彼は馬の首を断ち切った。
英知に満ちた黄金のミュージアムでひざまずき、ひそやかに流れる水の音に耳を澄ませ。
深く水に沈んだ宮殿で、地底の怪物が待っている。
血で赤く染まった水の中に沈み、そこに星が映ることはない
デスマスクの裏に書かれた文字を頼りにベネチアへ。
しかし、病原体がばらまかれる場所は、ベネチアではありませんでした。
裏切り者のヴェネツィアの総督=エンリコ・ダンドロ。
ダンドロの墓所はアヤソフィア!
場所はイスタンブール!
ダンテは全然関係ない。
病原体は、アヤソフィアのすぐ近くにあるイェレバタン・サラユ(地下宮殿)で発見。
ダンテは全然関係ない。
ダンテの暗号を解くミステリーになっていません。
ダンテを題材にするなら、代表作の「新生」や「神曲」を暗号にすればよかったのに・・・。
ゾブリストの遺志を継いだのは?
ゾブリストの遺志を継いだのは誰なのか、すぐに想像がついてしまいます。
シエナだったら嫌だな・・・どうか別の人物であってほしい・・・と願いましたが、やはり彼女だったのでがっかり。
かわいいので(どういう理由よ)シエナであってほしくなかったです。
地球を襲う災害は、人口の増加が原因。
それならば、人口の半分を抹殺しよう・・・。
人口問題や環境問題に対する解決方法が、狂信的ではありませんか。
ウィルスを拡散させようとして、命を落としたシエラ。
天才的な頭脳の持ち主なのだから、破壊ではなく、共存の道を探してほしかったです。
原作でのゾブリストの目的は、人類の約3分の1の生殖機能を不能にするウィルスを拡散することでした。
シエナは実行を阻止しようとするため、映画版のように死亡しません。
ラングドンとシンスキー
ラングドンと世界保健機関(WHO)の事務局長エリザベス・シンスキーは、かつて恋人同士でした。
焼けぼっくりに火が付くのかと思いましたが、2人は再び別々の道を歩むことになります。
「また離ればなれね」と言うシンスキーに対し、ラングドンは「ダンテとベアトリーチェだな」と答えます。
自分とシンスキーの関係を、ダンテとベアトリーチェになぞらえるなんて、ロマンチックではないか。
ただし、ベアトリーチェのことを知らなければ、誰?となりますけどね。
ベアトリーチェはダンテにとって理想の女性。
2人はそれぞれ9歳の時に初めて出会い、9年後にまた巡り合います。
しかし、ベアトリーチェは別の男性と結婚。
ダンテも別の女性と結婚します。
その後、ベアトリーチェは24歳の若さで病死。
ダンテは「新生」の中で、ベアトリーチェを理想の女性として描きます。
そして、「神曲」では、ダンテを天国へと導く存在として、ベアトリーチェを登場させるのです。
ラングドンとシンスキーは、結ばれることなく別々の道を歩みます。
まるでダンテとベアトリーチェのよう。
ラングドンは遠回しにシンスキーのことを「理想の女性」と言っているではないか。
何てかわいいんだ。
原作では、2人は恋人同士ではありません。
赤の他人です。
気になったこと
● イニャツィオの行方
ラングドンと共にダンテのデスマスクを隠したイニャツィオの行方は、映画では描かれていません。
生死が分からず、まさかの放置。
多分生きてはいないだろけれど、ちゃんと描いてほしかった。
原作では、イニャツィオは心臓発作で死亡。
ラストでは、イニャツィオの葬儀が描かれました。
総評
シリーズを追うごとに、ネタ切れ感が・・・。
しかしながら、知的好奇心を刺激するという点では面白い作品でした。
トム・ハンクス版「ラングドン」シリーズはこれで終了ですが、原作はまだまだあります。
また別の形でラングドンに再会したいものです。
