
アガサ・クリスティのおきて破りの傑作!
犯人の動機が切ない・・・。
基本情報
著者 | アガサ・クリスティ |
原題 | Murder on the Orient Express |
訳者 | 山本やよい |
発行所 | 早川書房 |
発行年 | 2011年 |
Audible | あり |

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●活字アレルギーの人も読破できる。
あらすじ
豪華寝台列車オリエント急行が雪で立ち往生する中、老富豪ラチェットが殺害される。
彼の死体には12カ所の刺し傷があった。
ポアロは乗客全員が容疑者となる密室殺人事件を依頼されるが、全員に完璧なアリバイがあるという難解な状況に直面する。
アガサ・クリスティについて
アガサ・クリスティは、1890年にイギリスのデヴォン州で生まれた世界的に有名な推理作家です。
「ミステリー」の女王として知られ、1920年に「スタイルズ荘の怪事件」で作家デビューを果たしました。
クリスティは生涯で100冊以上の長編、短編、戯曲を執筆し、エルキュール・ポアロやミス・マープルといった名探偵を生み出しました。
クリスティの作品は多くの言語に翻訳され、世界中で愛されています。
「オリエント急行の殺人」は1933年に発表された<名探偵ポアロ>シリーズの8番目の長編推理小説です。
感想(ネタバレなし)
「オリエント急行の殺人」について
「オリエント急行の殺人」は2度映画化もされた非常に有名な作品です。
あまりにも有名すぎて、ほとんどの人が結末を知っているかもしれません。
けれど、ここではあえて知らない人のために、作品の魅力を書いていこうと思います。
この作品は、犯人についてはもちろんですが、動機に衝撃を受けるんですよね。
犯人=悪人という常識を覆してきます。
犯行動機がとても切ないのです。
これほどまでに犯人に対して同情心を抱いた作品はあまりありません。
事件解決後に名探偵ポアロが下した決断・・・。
ポアロでなくても誰もが同じ決断を下すでしょうね。
リンドバーグ愛児誘拐事件
「オリエント急行の殺人」は、1932年にアメリカで起こったリンドバーグ愛児誘拐事件からインスピレーションを受けていると言われています。
チャールズ・リンドバーグ(1902~1974年)はアメリカの飛行家。
1927年、大西洋横断無着陸飛行(ニューヨークーパリ間)に成功し、一躍世界の英雄になりました。
しかし、1932年、1歳8ヵ月の息子が誘拐、殺害されるという悲劇に見舞われます。
その後犯人は逮捕されましたが、冤罪説も浮上しました。
さて、本作は事件が起こった翌年の1933年に発行されています。
リンドバーグ愛児誘拐事件と本作がどう結び付くのか?
それは読んでのお楽しみ。
映画版について
「オリエント急行の殺人」は、「オリエント急行殺人事件」というタイトルで、1974年と2017年に映画化されています。
どちらが好きかと問われれば、個人的には1974年版かなと。
なぜ1974年版の方が好きなのか?
それは1974年版の方が原作のイメージに近いポアロだからです。
(ポアロを演じたのはアルバート・フィニー)
そして2017年版のポアロを演じたのは、ケネス・ブラナーです。
言われなければ誰も彼がポアロだとは気づきません。
原作のポアロは、卵型の顔と、黒い大きな口ひげが特徴の小男。
ケネス・ブラナーは・・・違うやないかっ!
ただ、キャスティングは1974年版も2017年版も鼻血が出るほど豪華です。
特に1974年版は、銀幕の大スターであるイングリッド・バーグマンが脇役で出演しているのだからすごい。
映画の良さは、スター同士の共演を楽しむということに尽きますね。
おすすめのクローズド・サークル・ミステリー作品
アガサ・クリスティのクローズド・サークル・ミステリー作品は、どれも傑作ぞろいです。
● 孤島を舞台にした「そして誰もいなくなった」→小説「そして誰もいなくなった」ネタバレなしの感想
● クルーズ船を舞台にした「ナイルに死す」→小説「ナイルに死す」ネタバレなしの感想
総評
アガサ・クリスティ本人が選んだ自作ベストテンにも入る本作。
ベストテンの中にはおやおや?と思う作品もありますが、「オリエント急行の殺人」は、自他共に認めるクリスティの代表作です。
そろそろ読んでみませんか?
自作ベストテン
● アクロイド殺し(1926年)
● 火曜クラブ(1932年)
● オリエント急行の殺人(1933年)
● そして誰もいなくなった(1939年)
● 動く指(1943年)
● ゼロ時間へ(1944年)
● ねじれた家(1949年)
● 予告殺人(1950年)
● 無実はさいなむ(1958年)
● 終わりなき夜に生まれつく(1967年)