小説「そして誰もいなくなった」ネタバレなしの感想

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全世界で1億部を突破したアガサ・クリスティのクローズド・サークルミステリー。
10人の男女が1人ずつ殺されていく・・・。

著者アガサ・クリスティ
原題And Then There Were None
訳者青木久恵
発行所早川書房
発行年2010年
Audibleあり

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オーウェン夫妻からの招待状を受けた8人の男女と2人の使用人が、イギリスのデヴォン州にある孤島「兵隊島」に集まる。

彼らはお互いに面識がなく、オーエン夫妻も不在だった。

夕食後、蓄音機から流れる録音メッセージによって、各自が過去に犯した罪が告発され、彼らは不安に駆られる。

その後、招待客の1人が殺され、以降、次々と人々が「10人の兵隊さん」の童謡になぞらえた方法で命を落とすのだった。

アガサ・クリスティは、1890年にイギリスのデヴォン州で生まれた世界的に有名な推理小説家です。

「ミステリーの女王」として知られ、1920年に「スタイルズ荘の怪事件」で作家デビューを果たしました。

クリスティは生涯で100冊以上の長編、短編、戯曲を執筆し、エルキュール・ポアロやミス・マープルといった名探偵を生み出しました。

クリスティの作品は多くの言語に翻訳され、世界中で愛されています。

「そして誰もいなくなった」は1939年に発表さた<ノン・シリーズ>の長編推理小説です。

「そして誰もいなくなった」について

子供の頃に読んだ時は「あの結末」に、椅子から転げ落ちるほどの衝撃を受けたものでした。

今回、記事を書くにあたって再読して見ると、初読では気づけなかった伏線やヒントを見つけることができて、改めてクリスティの才能に感嘆。

未読の人は、誰が犯人なのかを推理しながら読むことになりますが、クリスティの巧妙なトリックに椅子から転げ落ちること間違いなしの作品です。

もう一度記憶を消して読みたい。

結末をまだ知らない人がうらやましい。

あえて物申します

ミステリーの最高傑作「そして誰もいなくなった」ですが、疑問に思ったことがあったので、あえて物申します。

その1 全員、尻尾を振って怪しげな島へ

男女10人は、オーエン夫妻から仕事、あるいは招待を受けて兵隊島を訪れます。

何者なのか全く分からない夫妻が住む島へなぜ行く?

私だったら絶対に行きません。

皆さん、疑うことを知らない素直な人たちばかりなんですね。

その2 殺される順番がおかしい

真犯人は、罪の軽い者から順番に殺害しています。

けれど、一番最初に殺害された人物についてですが、私は納得できません。

なぜこの人物が罪が軽いと思ったのか謎です。

その3 真犯人はマザーグースがお好き

真犯人は、マザーグースの童謡「10人の兵隊さん」の順番通りに殺害していきます。

小さな兵隊さんが十人、ご飯を食べにいったら
一人がのどをつまらせて、残りは九人

小さな兵隊さんが九人、夜ふかししたら
一人が寝ぼうして、残りは八人

小さな兵隊さんが八人、デヴォンを旅したら
一人がそこに住むって言って、残りは七人

小さな兵隊さんが七人、まき割りしたら
一人が自分を真っ二つに割って、残りは六人

小さな兵隊さんが六人、ハチの巣をいたずらしたら
一人がハチに刺されて、残りは五人

小さな兵隊さんが五人、法律を志したら
一人が大法官府に入って、残りは四人

小さな兵隊さんが四人、海に出かけたら
一人がくん製のニシンにのまれて、残りは三人

小さな兵隊さんが三人、動物園を歩いたら
一人が大きなクマにだきしめられて、残りは二人

小さな兵隊さんが二人、ひなたに座ったら
一人が焼けこげになって、残りは一人

小さな兵隊さんが一人、あとに残されたら
自分で首をくくって、そして、誰もいなくなった

(「そして誰もいなくなった」訳者 青木久恵 早川書房より抜粋)

普通はこんな風に殺せませんってば。

1人でやれることには限度がありますから。

この殺害方法は奇跡としか言いようがないです。

けれど、この童謡を見つけた時の作者の「してやったり」が目に浮かびます。

アガサ・クリスティはマザーグースがお気に入りなのか、他の作品でも多く使用しています。

真犯人ではなく、もはや「アガサ・クリスティはマザーグースがお好き」なんですねぇ。

2015年にBBCで制作されたTVドラマ「そして誰もいなくなった」は、U-NEXTで視聴することができます。

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真犯人が有名俳優で、かなり目立っているので、もうバレバレ。

それにヴェラの水着が、当時にしては攻めています。

けれど、十分に楽しむことができます。

ラストの演出が原作と違っていたのが新鮮でした。

アガサ・クリスティのクローズド・サークルミステリー作品は、どれも傑作ぞろいです。

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展開がスピーディーなので、一日で読破することができます。

緊迫感あふれる展開で、最後まで予測できません。

クローズド・サークルの最高傑作といわれるのも納得のミステリー小説です。

そろそろ読んでみませんか。