
マフィアに潜入した警察官と、警察に潜入したマフィアの内通者。
先に正体がばれるのはどっち?
基本情報
| 原題名 | The Departed |
| 制作国 | アメリカ |
| 制作年度 | 2006年 |
| 上映時間 | 2時間31分 |
| 監督 | マーティン・スコセッシ |
あらすじ
犯罪者一族に生まれたビリー・コスティガンは、過去と決別するために警官になるが、マフィア組織への潜入捜査を命じられる。
一方、マフィアのボスのフランク・コステロに育てられたコリン・サリバンは、マフィアの内通者として警察に潜入する。
2人は正体を隠しながら、それぞれの任務をこなすのだった。
登場人物とキャスト
| ビリー・コスティガン [潜入捜査官] 演:レオナルド・ディカプリオ 生年月日 1974年11月11日 |
| コリン・サリバン [巡査部長] 演:マット・デイモン 生年月日 1970年10月8日 |
| フランク・コステロ [マフィアのボス] 演:ジャック・ニコルソン 生年月日 1937年4月22日 |
感想(ネタバレなし)
「ディパーテッド」は、香港映画「インファナル・アフェア」のリメイクで、アカデミー賞作品賞、監督賞を含む4部門を受賞した作品です。
マフィアに潜入した警官を演じたレオナルド・ディカプリオと、警察に潜入したマフィアの内通者を演じたマット・デイモン。
そして、マフィアのボスを演じたのが、泣く子も黙る圧倒的な存在感のジャックニコルソン!
この3人が登場する映画を見ないという選択肢はありません。
正体を隠した2人の男の身元がいつばれるのか、最後まで緊張感が続きます。
ラストにあっと驚く展開が待ち受けるおすすめの作品です。
感想(ネタバレあり)
鏡合わせの2人
ビリー・コスティガンは、犯罪者家系の血筋を理由に、マフィアに潜入する捜査官になるよう命じられます。
警察学校を卒業したばかりの現場経験のない新人が、いきなり潜入捜査官になるという無茶ぶり。
それに、ディグナム巡査部長のビリーに対する当たりの強さといったら!
ディグナムは一見冷酷そうに見えて、実はビリーのことを心配しているツンデレキャラ・・・というわけでもなく、最後までツンツンのまま。
もう少し気遣いを見せてもよかったのでは?
ビリーの苦労が報われて、最後は正義が勝つ!と思っていたら、え?ビリーが死ぬなんて聞いていない。
潜入捜査官を無理やりやらされた挙句、命を落とすなんてあんまりです。(法的にどうなの?)
後味が悪いラストでした。
一方、コリン・サリバンは、コステロの内通者として警察に潜入します。
正義感と良心があるビリーとは違い、利己的で計算高いコリン。
しかし、真面目そうな見た目なので、誰も彼がネズミだとは思わない。(だってマット・デイモンだから)
2人とも「正体を隠す」という点では同じなのに、精神的に追い詰められていくビリーと、恋人との生活を楽しみつつ順調に出世していくコリンとでは、不公平に感じてしまいます。
これでコリンが逃げ切ろうものなら、もっと後味が悪い作品になるところでした。
何はともあれジャック・ニコルソン
ジャック・ニコルソンは強烈な存在感で観客を震え上がらせます。
映画「シャイニング」(1980年)はホラー映画でしたが、ニコルソンの顔が一番怖かった記憶が・・・。
映画「バットマン」(1989年)ではジョーカー役を演じていましたが、素顔でもいけるんじゃないかと思ってしまいました。
「ディパーテッド」ではマフィアのボスという、あまりにも似合いすぎる役を演じています。
ニコルソンの前だと、レオナルド・ディカプリオもマット・デイモンも完全にお子ちゃま。
そこにいるだけで平伏してしまいたくなるくらいの存在感を放つ俳優です。
ニコルソン演じるコステロは、マフィアのボスでありながら、FBIの情報提供者であることが判明します。
FBIに守ってもらう代わりに、用済みになった手下を売っていたのです。
コステロも2つの顔を持っていたとは!
これには一杯食わされました。
だって相手はジャック・ニコルソン。
マフィアのボスだけで終わるわけがない。
疑問に思ったこと
疑問に思ったことを書き連ねてみました。

1 なぜコリンはマサチューセッツ州議事堂(金色のドーム)を見下ろせる部屋に住むことに決めたのか?
上昇志向の強いコリン。
もしかしたら、いずれ政治家になりたいという野望を持っていたのかもしれません。

2 デラハントの正体
コステロの手下デラハントは、ビリーが裏切者であることを見抜きます。(ビリーに間違った住所を教えたのに、正しい場所に現れたから)
しかし、デラハントはビリーを売りませんでした。
「なぜ黙っていたと思う?」と言った直後に息絶えます。
もしかしたら、デラハントも潜入捜査官だったのかもしれません。

3 コステロはコリンを疑っていたのか?
そもそも、コステロは誰も信用していませんでした。
保険としてコリンとの会話を録音していたくらいですから。

4 バリガンはいつから第2のネズミだったのか?
コリンの警察学校時代の仲間であるバリガンは、ラスト近くでネズミだったことが判明します。
コリンの監視役として、最初からネズミだった可能性あり。

5 ビリーがマドリンに渡した手紙の内容は?
コリンがネズミであることが書かれていたと思います。

6 録音テープを聞いたマドリンは、なぜ通報しなかったのか?
この時点ではビリーからの手紙をまだ開けておらず、コリンが100%クロだとは断定できなかったのかも。

7 ディグナムはなぜコリンがネズミだと思ったのか?
マドリンからビリーの手紙と録音テープを受け取った可能性あり。

8 ディグナムはなぜコリンを処刑したのか?
コリンの部屋で待ち構えていたディグナム。
手にはゴム手袋。
靴には靴カバー。
指紋や足跡を残さない、実に用意周到なスタイル。
上司と部下を殺された怒り。
ディグナムの性格を考えると、逮捕だけでは意味がないと思ったのかも。

9 マドリンのお腹の子の父親は誰なのか?
ビリーである可能性が高いです。
なざならマドリンがコリンに「男の子は母親似よ」と言ったから。
これは生まれた時、コリンに似ていないと疑われるので、予防線を張った?

10 ラストシーンのネズミ
本物のネズミがベランダの手すりを歩くところで物語は幕を閉じます。
あまりにも露骨な演出。
それを名監督であるスコセッシが、恥ずかしげもなくやっちゃっています。
これはまだ他にもネズミがいることを象徴している?
アカデミー賞での珍事
「ディパーテッド」がアカデミー賞作品賞を受賞した時、会場アナウンスで「日本映画のリメイク」と紹介される珍事が!
香港と日本を間違えるとは・・・。
なぜそんなミスをしたのか、今もって謎です。
総評
正義は勝たず、暴力でしか解決できない世界を描いているため、見る人を選ぶ映画ではあります。
しかし、豪華スターの共演、ラストで予想を裏切る展開など、十分に楽しめました。
