映画「フランケンシュタイン」感想 ネタバレなし&あり

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メアリー・シェリーの不朽の名作を映画化。
なぜフランケンシュタイン博士は「怪物」を創り出したのか?

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原題名Frankenstein
制作国アメリカ
製作年度2025年
上映時間2時間29分
監督ギレルモ・デル・トロ

1857年、北極探検中のデンマーク船ホリソント号の船員が、瀕死の男ヴィクター・フランケンシュタインを救助する。

そこへ怪物が現れ、ヴィクターの身柄の引き渡しを要求する。

ヴィクターは自分が怪物の創造主であることを明かし、その経緯を語り始めるのだった。

ヴィクター・フランケンシュタイン [天才科学者]

演:オスカー・アイザック
生年月日 1979年3月9日
怪物

演:ジェイコブ・エローディ
生年月日 1997年6月26日
エリザベス・ハーランダー/クレール・フランケンシュタイン [ウィリアムの婚約者/ヴィクターの母親]

演:ミア・ゴス
生年月日 1993年10月25日
ハインリヒ・ハーランダー [武器商人]

演:クリストフ・ヴァルツ
生年月日 1956年10月4日

「フランケンシュタイン」は過去に何度も映画化されてきました。

今回のギレルモ・デル・トロ版「フランケンシュタイン」は、圧倒的な映像美で、それだけでも見る価値があります。

ストーリーはというと、フランケンシュタイン博士と怪物、それぞれの視点で描かれている点が実に新鮮。

フランケンシュタイン博士の苦悩、怪物の孤独が丁寧に描かれており、見る者の心を打ちます。

神に成り済ました男、フランケンシュタイン博士を待ち受けていたものとは?

ラストは胸が張り裂けること間違いなしのおすすめの映画です。

ヴィクター・フランケンシュタイン博士

ヴィクターは幼少期、厳格な外科医の父レオポルドの体罰を受けて育ちました。

唯一の味方であった最愛の母を失ったヴィクターは、死を超える生命の創造に没頭するようになります。

しかし、生み出した怪物は不良品。

ヴィクターは怪物に体罰を加えます。

嫌悪していた父親と同じことをしてしまうのです。

「生み出したあとのことを考えていなかった。地球の端まで到達してみたものの、そこに地平線はなかった」

この独白には心底驚きました。

てっきり計画があるものだとばかり思っていたので。

まさか何にも考えていなかったとは・・・。

ヴィクターは手に余る存在である怪物を葬ろうとします。

ここから「創造主と怪物」ではなく「父と息子」の物語へと話が展開されることに。

終盤で瀕死の重傷を負ったヴィクターは、怪物を息子と呼び許しを請います。

怪物は父の謝罪を受け入れます。

怪物は父にただ愛されたかっただけ。

ラストシーンで涙を流して朝日を浴びる怪物に、胸が締め付けられる思いでした。

怪物の孤独

この世は差別に満ちあふれているーたとえ怪物の姿をしていなくても。

しかし、1つだけどんな人間に対しても平等なものーそれは「死」です。

けれど、永遠の命を与えられた怪物は、死にたくても死ねません。

創造主であり父であるヴィクターに見捨てられ、唯一自分の存在を認めてくれたエリザベスと盲目の老人もこの世を去ります。

永遠に孤独をさまよい続けることになる怪物。

そこに救いはありません。

終わりがあるからこそ、人は生きていけるのです。

しかし、終わりのない怪物は、一体どうすればいいのか?

怪物の目線でストーリーが展開されたことで、より怪物の孤独を感じられましたが、悲しいラストでした。

なぜ眉毛を描かなかった?

エリザベスの眉毛がない(よく見るとうっすらありますが)ので、怖い人に見えてしまいます。

そのせいで、純真で、優しく、毅然とした強さを持ち合わせた女性に見えなかったのが残念。

怪物に対して優しさと愛情を示すのですが、もっと怖がれよ・・・いや、アンタの顔の方が怖いじゃないかと思ってしまいました。

怪物と久しぶりに再会して「会いたかった。私を連れ去って」なんてことを言うエリザベスがホラー。

眉毛を描いて!

それにしても、ミア・ゴスがエリザベスとヴィクターの母親クレールの一人二役だとは気づかず。

美しい深紅の衣装に目を奪われてしまっていたので、顔までは見ていませんでした。

配信の良いところは、もう一度そのシーンをチェックすることができるということ。

クレールには眉毛があり、髪の色も違っていたので、エリザベスとは別人に見えます。

眉毛があるとちゃんと優しい母親に見えるので、エリザベスよ・・・眉毛!

ハーランダーの野望

アカデミー賞助演男優賞を2度受賞した名優クリストフ・ヴァルツが、武器商人ハーランダーを演じているのですから普通の人であるはずがない。

怪しい男を喜々と演じていて、いや~、やっぱりいい!

多額の資金を提供してヴィクターに怪物を造らせる理由・・・それは自分も永遠でいたいから。

余命わずかなハーランダーは、自分も怪物の一部となって永遠に生き続けることを望みます。

金、名声、権力・・・全てを手に入れても、死だけは免れることはできません。

どんな人間にも平等に死はやって来る。

けれど、ハーランダーは死を受け入れることができず、ヴィクターに永遠になりたいと懇願するのです。

しかし、ハーランダーの体は使い物にならず、ヴィクターから拒否されてしまいます。

あきらめきれないハーランダーは、ヴィクターともみあいの末に転落して命を落とします。

永遠を求めた醜い心の持ち主であるハーランダーと、永遠であることを憎んだ純粋な心の持ち主である怪物。

人間であることを放棄しようとした権力者ハーランダーの、何とも哀れな最期でした。

クリストフ・ヴァルツ→「イングロリアス・バスターズ」(2009年)「ジャンゴ 繋がれざる者」(2012年)で、アカデミー賞助演男優賞を受賞。

その後、怪物はどう生きるのか?

北極で永遠をさまようことになるのかと思うと、やるせないラストでした。