映画「パワー・オブ・ザ・ドッグ」感想 ネタバレなし&あり

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ヒューマンドラマかと思ったら、極上サスペンスだった!
衝撃のラストは見逃せない。

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原題名The Power of the Dog
制作国アメリカ/イギリス/ニュージーランド/カナダ/オーストラリア
製作年度2021年
上映時間2時間6分
監督ジェーン・カンピオン

1920年代のアメリカ、モンタナ州。

威圧的でカリスマ性のある兄フィルと、穏やかで優しい弟ジョージは、牧場を経営していた。

しかし、ジョージが未亡人の女性と結婚したことで兄弟の関係に変化が生じ、隠された秘密が明らかになっていく。

フィル・バーバンク [牧場主]

演:ベネディクト・カンバーバッチ
生年月日 1976年7月19日
ローズ・ゴードン [ジョージの妻]

演:キルステン・ダンスト
生年月日 1982年8月30日
ジョージ・バーバンク [フィルの弟]

演:ジェシー・プレモンス
生年月日 1989年4月2日
ピーター・ゴードン [ローズの息子]

演:コディ・スミット=マクフィー
生年月日 1996年6月13日

最初は単なるヒューマンドラマだと思っていたんです。

ストーリーが淡々と進むので、このまま盛り上がることもなく終わるのかと思いきや・・・最後にとんでもない爆弾を落としてきました。

衝撃のラストに言葉を失います。

中だるみがあるので、途中で見るのをやめる人がいるかもしれません。

絶対にだめです!

あのラストを見るために作られた映画といっても過言ではないのですから。

ネタバレなしで見てほしい。

フィルの秘密

男らしく、教養があり、リーダー的存在の牧場主のフィル。

愚鈍で、心優しい弟のジョージ。

ジョージがシングルマザーのローズと結婚したことで、フィルの壮絶な嫁いびりが始まります。

これがまたネチネチと陰湿極まりない。

ジョージに対しても「おまえのような醜男を好きになるわけがないだろう。金目当てに決まっている」と手厳しい一言。(そこまで言わなくても・・・)

そして、ローズだけでなく、連れ子のピーターに対しても女々しいと嘲笑します。

ローズはノイローゼになり、アルコールに依存するように。

男の中の男、フィル。

典型的な西部の男、フィル。

ところが、フィルが実は同性愛者であることが判明します。

自分の本性を隠すためにあえて男らしく振る舞い、美少年のピーターを嫌悪していたのです。

フィルのピーターに対する態度が過剰なので、序盤で同性愛者なのではないかと気づいた人も少なくないはず。

前半の嫌な男から一転、後半は哀れみを感じるキャラクターでした。

ピーターの本心

ピーターはフィルを葬ろうと完全犯罪を計画します。

フィルに投げ縄作りをしたいと持ちかけ、事前に病気で死んだ牛の皮を用意します。

都合よくフィルが手にけがをしていたので、傷口から感染。

翌日、炭疽病たんそびょうで亡くなってしまいます。

まさかピーターの完全犯罪だなんて誰も思わないでしょう。

一見、母親をいじめていたフィルに対する復讐のようにも見えます。

しかし、本当に母親を守るためだったのか?

もしかしたら殺人に対する欲求が根底にあるのではないかと思うシーンがあるんですよね。

犯罪証拠品の投げ縄を処分するのかと思いきや、ベッドの下に保管します。

戦利品を手元に置いておくなんて、サイコパス特有の行動ではありませんか。

それに、ウサギを解剖するシーン。

医大生なので勉強のため・・・という言い訳も通用しますが、底知れない不気味さが漂っていました。

フィルに復讐したいなら、彼の正体を暴くなり、脅迫するなり、方法はいくらでもあったと思います。

けれど、手の込んだ残酷な方法でフィルを殺した・・・。

これはもうサイコパスとしか思えません。

継父のジョージも邪魔だと思ったら殺しそう。

初犯ではない?

アルコール依存症だったピーターの実父が、自殺したという過去が明らかになります。

本当に?

ピーターが自殺に見せかけて殺したのではないかと邪推したくなりますよね。

これに関しては、作中で詳しい説明がないので分かりません。

しかし、あえてこういう会話のシーンを入れたということは、そういうことなのかと・・・。

フィル殺しに慣れていたのは、初犯ではなかったからとも考えられます。

母親のローズは、ピーターの本性に気づいていたのか?

フィルを殺したことを知っているのではないか?

疑い出したら際限がありません。

しかし、これだけは言えます。

今後もフィルは犯罪に手を染めるでしょう。

殺人は癖になりますから。

ピーターはフィルにいじめられるかわいそうな美少年として登場します。

しかし、これが完全にミスリードでした。

フィルだけでなく、視聴者もまんまと術中にはまることに。

後味が悪いけれど、心にズシンと重くのしかかる見ごたえのある作品でした。

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