ドラマ「アメリカン・クライム・ストーリー/O・J・シンプソン事件 感想 ネタバレなし&あり

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O・J・シンプソンは有罪かそれとも無罪か?
全米を揺るがした世紀の裁判の行方に目が離せない。

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原題名The People V. O・J・Simpson
American Crime Story
制作国アメリカ
製作年度2016年
エピソード数10エピソード

元アメリカンフットボール選手のO・J・シンプソンが、元妻ニコールとその友人ゴールドマンの殺人容疑で逮捕される。

シンプソンの弁護団は「ドリームチーム」と呼ばれ、著名な弁護士たちが集結。

彼らは裁判を人種問題に結びつけ、ロス市警の腐敗や人種差別を強調することで、シンプソンの無罪を主張するのだった。

O・J・シンプソン

演:キューバ・グッディング・Jr(1968年1月2日生まれ)

アメリカンフットボールの元スター選手。

O・Jシンプソンを演じるキューバ・グッディング・ジュニアは、見た目は全く似ていません。

けれど、O・Jの人となりを貫禄たっぷりに演じています。

真実が分からない状況で演じるのは、難しかったんじゃないでしょうか。

ロバート・シャピロ

演:ジョン・トラヴォルタ(1954年2月18日生まれ)

弁護士。

ロバート・シャピロを演じるジョン・トラヴォルタは、70年代から活躍しているハリウッドスターです。

年々、顔がデカくなっていることに関しては触れちゃだめ。

マーシャ・クラーク

演:サラ・ポールソン(1974年12月17日生まれ)

検察官。

<エミー賞主演女優賞受賞><ゴールデングローブ賞主演女優賞受賞>

サラ・ポールソンしかマーシャ・クラーク役を演じられないのではないかと思うくらいはまり役!

エミー賞とゴールデングローブ賞をW受賞したのも納得の演技力です。

テレビ出演が多いですが、今後は映画でも大活躍するでしょうね。

ロバート・カーダシアン

演:デヴィッド・シュワイマー(1966年11月2日生まれ)

弁護士。

ロバート・カーダシアンを演じるデヴィッド・シュワイマーは、トホホ顔がトレードマークの俳優です。

大人気シットコムドラマ「フレンズ」でブレイク。

(私は、シットコムが苦手なので見たことがありません。日本人はシットコムに抵抗があると思う。知らんけど。見たことがないのに知っているってある意味すごい)

「ドリームチーム」が悪役という位置付けになるのを、D・シュワイマーが頑張って阻止しています。

それくらい癒し系キャラがさく裂。

ジョニー・コクラン

演:コートニー・B・ヴァンス(1960年3月12日生まれ)

弁護士。

<エミー賞主演男優賞受賞>

ジョニー・コクランを演じるコートニー・B・ヴァンスは、悪役?を一手に引き受けています。

憎たらしいと視聴者に思わせるのは、確かな演技力があってこそ。

スターのJ・トラヴォルタより目立っています。

クリス・ダーデン

演:スターリング・K・ブラウン(1976年4月5日生まれ)

検察官。

<エミー賞助演男優賞受賞>

クリス・ダーデンを演じるスターリング・K・ブラウンは、黒人でありながらO・J・シンプソンを糾弾するという難しい役柄を演じて高い評価を得ました。

大人気ドラマ「THIS IS US」のランダル役としても有名で、名作なのでぜひ見てほしい。

O・J・シンプソンって誰?

大半の日本人は彼のことを知らなかったでしょう。

あの「事件」を起こすまでは。

アメリカでは、知らない人はいない元アメフト選手のスーパースター。

けれど、アメフトの知名度が低い日本では、O・Jのことを知っていた人は多くないはず。

しかし、元妻とその友人を殺害した罪で逮捕されたO・Jは、一躍日本でも知られる存在になりました。

さて、今作ではO・Jの裁判に焦点が当てられています。

「ドリームチーム」と呼ばれた弁護士軍団VS検察官の火花を散らした戦いは見ごたえ十分。

結末を知っていても手に汗握ります。

骨太のドラマを見たい人におすすめです。

O・J・シンプソンは有罪かそれとも無罪か?

O・Jシンプソンは、かんしゃく持ちで、わがままで、甘ったれの実に嫌な男として描かれています。

「俺は自殺する」と大騒ぎするけれど、行動に移そうとしない。

完全に死ぬ死ぬ詐欺の男じゃありませんか。

それに、遺書の署名に☺・J・Simpsonって・・・。

何なのっ、このスマイルマークは。

遺書にスマイルマーク?

ふざけすぎている。

それに「俺は黒人じゃない。O・Jだ」と豪語するシーンがあるんですが、

いや、黒人だろ。

さて、O・Jは元妻ニコールと、その友人ゴールドマンを殺したのか?

どう見ても殺したとしか思えない。

仮に人種差別主義の警官たちがO・Jをはめるためにやったとしましょう。

でも、もしO・Jに鉄壁のアリバイがあったとしたら?

警官たちがそんなリスクを冒してまで殺害を決行するとは思えません。

元妻ニコールに何度も暴力を振るっていたO・Jですから、エスカレートして殺害してしまったというのが妥当のような気がします。

今作を見て思ったのは、結局「お金」だなと。

お金さえ持っていれば、優秀な弁護士を雇えて有罪を無罪にできるんですよ。

(弁護費用は当時のレートで約5億円だとか)

殺人事件の裁判がいつしか人種差別の裁判にすり替わっていたという恐ろしさ。

陪審員が黒人だらけというのも引っかかりました。

やはり同種をかばいたいという心理が働きますものね。

それに普通は何日もかかる評決をたったの4時間で下した陪審員たち。

早く家に帰りたかったんでしょうね・・・。

でも、1人の人間の一生を左右することを、たったの4時間で決めるなんて・・・。

マーシャが「陪審員って何なの・・・」とつぶやいていましたがその通りだなと思いました。

晴れて無罪になったO・Jは家に戻ります。

けれど、周りの反応の冷たさがこの事件の真実を現わしていたように思いました。

頑張れ、マーシャ!

「ドリームチーム」の弁護士たちが、くせ者のおっさんたちばかりなので、どうしてもマーシャに肩入れしてしまいます。

皆さん、女性の髪形をいじってはいけません!

確かにひどいですよ。

でも、それをテレビで言ってはだめです。

本人も気にして髪型をチェンジしたら・・・ますますひどくなってびっくり。

イトー判事から「クラークさんですよね?」とからかわれて涙目になってしまうマーシャ。

判事ともあろう人が、男子高校生みたいなことを言うなんて!

ようやく普通のストレートヘアにしてくれてほっとしました。

それはそうと、気になったのは同僚クリスとの関係。

何だかいい雰囲気じゃありませんか。

裁判中なんですけどね。

けれど、2人の仲が進展することはありませんでした。

クリスに振られた時のマーシャの顔が最高よ。

マーシャは主任検察官として、ドリームチームと渡り合うかっこよさと、ちょっと抜けたところがあるのがいいですよね。

マーシャには勝ってほしかったんですけど、やはり「お金」のあるほうに軍配が上がってしまいました。

検察官2人VSドリームチーム多数だなんて不公平すぎます。

ドリームチーム

ドリームチームのおっさんたち(女性は1人いましたが)がくせ者ぞろい。

その中でも特に気になったおっさん3人を紹介。

1人目のおっさん ロバート・シャピロ

セレブ専門の弁護士で、かなりの食わせ者。

O・Jが殺したと思っているのに弁護するって何だか矛盾を感じます。

お金さえもらえればいいって感じ?

仲間と度々衝突して「1人ぼっち」になることも。

現場に落ちていた証拠品の手袋が、O・Jの手にはまらないことを発見した人物でもあります。

O・Jの無罪は、シャピロの功績が大きいかも。

2人目のおっさん ジョニー・コクラン

とにかくうざいおっさん。

殺人事件を人種差別にすり替えた張本人。

自身がDVの加害者だったことが判明したのに、どこ吹く風なのが許せない。

3人目のおっさん ロバート・カーダシアン

くせ者ぞろいのおっさんの中で、一番まともそうな人物。

O・Jの友人で、最初は無実を信じていましたが、徐々に不信感を抱くように。

裁判後は絶縁します。

それよりも、あのお騒がせセレブ、カーダシアン家のパパだったなんて!

元妻クリス・ジェンナーとの間に、コートニー、キム、クロエ、ロブがいますが、子供たちは後にリアリティー番組で有名に。

レストランで子供たちと食事をするシーンがあるんですが、その時ロバートが「有名になることに意味はない」と言うんですよね。

ぷっ。

嫌味たっぷりなセリフ。

脚本家に拍手です。

ロバートもまさか子供たちがあんな「お下品」になるなんて思ってもみなかったでしょうね。

※ Disney+で、リアリティー番組「カーダシアン家のセレブな日常」が配信されています。

ほんのちょっとだけ見てみましたが・・・顔と体のお直しが・・・。

ちなみに、一家の中で一番悪目立ちしている次女のキムの名付け親はO・J!

この一家を見てうらやましいと思う人がいるのだろうか?

登場人物たちがその後どうなったのか最終話のラストで明かされていたので紹介します。

● O・J・シンプソン(1947年~)

O・Jは資産を隠しフロリダへ。

2008年、誘拐と武装強盗で有罪になり、懲役33年の刑を宣告されました。

2017年に仮釈放の資格を得られる予定です。

● ロバート・シャピロ(1942年~)

現役弁護士として活躍。

あいかわらずダイアナ・ロスなどセレブの代理人を務めています。

● マーシャ・クラーク(1953年~)

検察局を辞め、巨額の出版契約を結びました。

現在は作家、法律評論家として活躍しています。

● ロバート・カーダシアン(1994~2003年)

O・Jと絶縁。

2003年に食道がんで死去。

● ジョニー・コクラン(1937~2005年)

弁護士を続け、15州に法律事務所を開きました。

2005年に脳腫瘍で死去。

● クリス・ダーデン(1956年~)

検察局を辞職。

法科大学院の教授になり、後に法律事務所を開きました。