
マイケルとヴィトーの2つの時代を交差させて描くマフィア映画の傑作。
権力を求めた男が手にしたものとは何だったのか?
基本情報
| 原題名 | The Godfather PARTⅡ |
| 制作国 | アメリカ |
| 制作年度 | 1974年 |
| 上映時間 | 3時間22分 |
| 監督 | フランシス・フォード・コッポラ |
あらすじ
1958年、マイケル・コルレオーネは父の跡を継ぎ、コルレオーネ・ファミリーのドンとして事業をさらに拡大していった。
しかしある日、マイケルの自宅が襲撃され、内部に裏切者がいることを確信する。
一方、1901年、9歳のヴィトー・コルレオーネは、シチリアで家族を皆殺しにされ、アメリカのニューヨークへ。
ニューヨークで貧しくも慎ましい生活を送っていたが、地元のドンに搾取される日々が続く。
耐え切れなくなったヴィトーは、ドンを排除することを決意するのだった。
登場人物とキャスト
| ドン・マイケル・コルレオーネ [コルレオーネ家のドン] 演:アル・パチーノ 生年月日 1940年4月25日 |
| トム・ヘイゲン [コルレオーネ家の弁護士] 演:ロバート・デュバル 生年月日 1931年1月5日 |
| ケイ・アダムス・コルレオーネ [マイケルの妻] 演:ダイアン・キートン 生年月日 1946年1月5日 |
| 若き日のドン・ヴィトー・コルレオーネ 演:ロバート・デ・ニーロ 生年月日 1943年8月17日 |
| フレド・コルレオーネ [マイケルの兄] 演:ジョン・カザール 生年月日 1935年8月12日 |
| コニー・コルレオーネ・リッジ [マイケルの妹] 演:タリア・シャイア 生年月日 1946年4月25日 |
感想(ネタバレあり)
何はともあれロバート・デ・ニーロ!
若き日のヴィトー・コルレオーネを演じているロバート・デ・ニーロが素敵。
細身で若くてハンサムなデ・ニーロ。
男のフェロモンだだ漏れです。
ロバート・デ・ニーロ史上、一番かっこいい。
ヴィトー編に関しては、まるで絵画のような美しさでした。
妻と食事をするヴィトー。
肺炎になった次男のフレドを心配するヴィトー。
何気ないシーンなのに美しい。
極めつけはこれ。
ドン・ファヌッチを暗殺しようと待ち伏せするシーン。
暗闇の中で浮かび上がるヴィトーの姿の、何と神々しいことよ。
どのシーンを見ても、ため息しか出ませんでした。
さて、観客の誰もが気になっていたこと。
いつドン・チッチオに復讐するのか?
幼少時代、家族をドン・チッチオによって皆殺しにされたヴィトー。
いつ復讐するのか、今か今かと手ぐすね引いて待っていましたよ。
ようやくシチリアに里帰りし、ドン・チッチオの腹をえぐるようにナイフで突き刺すヴィトー。
この下から上に突き上げるような刺し方・・・。
何をやっても絵になるデ・ニーロでした。
ヴィトーの旧友にあの人たちが!
ヴィトーは仲間や町の人たちの信頼を得ながら、次第に成り上がっていきます。
若かりし頃のピーター・クレメンザとサルヴァトーレ・テシオがヴィトーの仲間として登場していたのにはびっくり。
クレメンザは「1」でマイケルに銃の撃ち方を教えていた人物。
「2」でクレメンザがヴィトーを犯罪の世界に引き入れたことが判明します。(一緒にじゅうたんを盗んだのが最初の犯罪。今思うと微笑ましい)
テシオは「1」でヴィトーの死後、バルジーニ側に寝返った人物。
テシオはヴィトーの旧友だったのに、マイケルを暗殺しようとしたわけね。
ヴィトーのことは友人として敬っていたが、息子のマイケルに対する忠誠心はなかったようで・・・。
けれど、若かりし頃のテシオを知っているだけに、この裏切りは悲しくなりました。
愛すべきおマヌケキャラのフレド
前作では影の薄かったマイケルの兄フレドが、今回は盛大にやらかしています。
ある日、マイケルの自宅が襲撃される事件が発生。
マイケルは内部に裏切り者がいると確信します。
その裏切り者というのがフレド!
ジョニー(ユダヤ人マフィアのハイマン・ロスの右腕)にマイケルの居場所や予定を漏らしていたのでした。
けれど、これはマイケルのためになる取引をまとめているつもりだった。
まさかマイケルが襲撃されるなんて、夢にも思わなかったのです。
兄貴なのに、いつも使い走りの仕事しか任されてこなかったフレド。
フレドは大きな仕事がしたかっただけ。
その気持ちをロスに巧みに利用されてしまったのです。
この愛すべきおマヌケキャラのフレドのことがすっかりお気に入りになっていたので「ママが生きている間はフレドは無事だ」なんてことをマイケルが手下のアル・ネリに言い放った時はぞっとしましたよ。
ママの死後、妹コニーの「フレドを許して」という懇願を受け、フレドを抱き締めるマイケル。
よかった・・・これでフレドが殺されずに済む・・・と胸をなで下ろしたら・・・あれ?アル・ネリの顔をちらりと見るマイケル。
ちょ・・・ちょっと・・・まさか・・・?
湖のボートの上でフレドを射殺するアル・ネリ。
殺されるとは知らず「魚が釣れますように」とお祈りを唱えていた無邪気なフレド。
マイケルよ、許さん。
これがヴィトーやソニーなら、フレドを殺さなかったはず。
あの短気なソニーですら、フレドを許したと思う。
おいおい、マイケルよ。
そんなにフレドを殺したきゃ、自分で殺れよ。
え?個人的な感情ではなく、ファミリーの掟を優先したって?
だったら、ママが死ぬまで待つなよ。
ママが悲しもうが、嫌われようが、掟を優先しろよ。
(あまりの怒りについ言葉遣いが汚くなってスミマセン)
卑怯な男マイケル。
家族だけでなく、観客のほとんどがマイケルを見限ったんじゃないですか?
フレドを演じたジョン・カザールは、1978年に42歳の若さで病死。
生涯わずか5本の映画にしか出ていません。
①「ゴッドファーザー」(1972年)
②「ゴッドファーザー PARTⅡ」(1974年)
③「カンバーセーション・・・盗聴・・・」(1974年)
④「狼たちの午後」(1975年)
⑤「ディア・ハンター」(1978年)
この5本の映画が全てアカデミー賞にノミネートされ、そのうち3本が作品賞を受賞しているのだからすごい。
「ディア・ハンター」の完成を見届けることなく旅立ったカザール。
生きていればアル・パチーノやロバート・デ・ニーロのような名優になっていたかもしれないと思うと、非常に残念です。
二代目ドン・マイケルの末路
マイケルが青二才だった頃から知っている身としては、彼のあまりの変貌ぶりに困惑せざるを得ませんでした。
圧倒的な力で君臨する独裁者のマイケル。
しかし、家族との仲は崩壊していきます。
妻のケイからは「あなたの子をこの世に生みたくなかったの」と堕胎を告白されます。
妹コニーも、フレドを殺したマイケルを許さないでしょう。
トムもマイケルとはビジネスライクな関係になると思う。
物語のラスト、現在の孤独なマイケルの姿と、かつて家族に囲まれていた若き日の彼の姿が映し出します。
権力を求めた男が手にしたものは何だったのか?
とても悲しいラストでした。
総評
続編は成功しないという常識を見事に覆した「ゴッドファーザー PARTⅡ」
若かりし頃のヴィトーの神々しさ。
ボートの上で祈りを唱えるフレドの姿。
そして、孤独に身を沈めるマイケル。
どれをとっても素晴らしいシーンでした。

