ドラマ「アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺」感想 ネタバレなし&あり

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世界的有名デザイナー、ジャンニ・ヴェルサーチはなぜ暗殺されたのか?
殺人鬼アンドリュー・クナナンの心の闇に迫る。

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原題名The Assassination of Gianni Versace
American Crime Story
制作国アメリカ
製作年度2018年
エピソード数9エピソード

1997年、マイアミの自宅の前で、著名なファッションデザイナー、ジャンニ・ヴェルサーチが暗殺される。

犯人のアンドリュー・クナナンは、事件前に4人の男性を殺害していた男だった。

アンドリュー・クナナン [同性愛者の殺人鬼]

演:ダレン・クリス
生年月日 1987年2月5日
ジャンニ・ヴェルサーチ [世界的ファッションデザイナー]

演:エドガー・ラミレス
生年月日 1977年3月25日
ドナテラ・ヴェルサーチ [ジャンニ・ヴェルサーチの妹]

演:ペネロペ・クルス
生年月日 1974年4月28日
アントニオ・ダミコ [ジャンニ・ヴェルサーチの恋人]

演:リッキー・マーティン
生年月日 1971年12月24日

世界的有名デザイナー、ジャンニ・ヴェルサーチが暗殺された事件の実話を元にした作品です。

犯人は4人を殺害した罪で逃亡中のアンドリュー・クナナン。

過去にさかのぼる形でストーリーが展開するので、ヴェルサーチの暗殺は第1話の冒頭。

一番のクライマックスを冒頭に持ってくるという大胆な手法を用いています。

なぜアンドリューは殺人鬼になってしまったのか?

大人向けの胸に突き刺さる作品になっています。

なぜアンドリューはヴェルサーチを殺害したのか?

FBIに追い詰められたアンドリューは、拳銃自殺を図ったため、真相はやぶの中。

しかし、ドラマを見て思ったのは、アンドリューは「特別」になりたかったのだなと。

少年時代のアンドリューは、父親の愛情を一身に受けていました。

「特別」であることの優越感を肌で感じていたはずです。

けれど、父親が罪を犯したことによって、人生の歯車が狂い始めます。

大学を中退し、お金を稼ぐため男娼に。

一方のヴェルサーチは、成功した世界的有名デザイナー。

同じ同性愛者で、同じイタリア人の血が流れているのに、なぜこんなにも違うのだろうと思ったはず。

全てを手に入れたヴェルサーチと、何者でもない自分。

ヴェルサーチに対して愛憎を抱くようになっても不思議ではありません。

彼を殺害することで「特別」な存在になりたかったのではないでしょうか?

実際にアンドリューは、新聞の一面を飾る存在になりました。

アンドリューに対して同情はできないけれど、悲しいラストでした。

4人の被害者

ヴェルサーチを殺害する前、アンドリューは4人の男性を手にかけています。

1人目の被害者は、元海軍士官のジェフリー・トレイル。

アンドリューと最初は良好な友人関係でしたが、仲がこじれて殺されてしまいます。

同性愛者であることに苦悩する姿が痛々しかったです。

2人目の被害者は、建築家のデイヴィッド・マドソン。

アンドリューとは一時期、恋人関係でした。

ジェフリー殺しの共犯だと思われていましたが、無関係だと証明されてよかった。

そうじゃないと浮かばれません。

「息子のことは愛しているが、同性愛者であることは受け入れられない」というデイヴィッドの父親の言葉が切ないです。

3人目の被害者は、シカゴ不動産業界の重鎮リー・ミグリン。

良き夫で、社会的地位もあったのに、ふた回りも年下のアンドリューの魅力には勝てなかったようです。

私が印象に残ったのは妻のマリリン。

夫が同性愛者であることは、察していたみたいですよね。

けれど、マリリンは夫の名誉を守るため、強盗に押し入られたのだと言い張ります。

マリリンの強さ、気高さに胸を打たれたシーンでした。

それなのに、ドラマで夫の秘密をばらしちゃってもいいんですかね?

4人目の被害者は、墓地管理人のウィリアム・リース。

彼だけは完全なとばっちりです。

4人目の被害者以外は全員、同性愛者。

90年代はまだ同性愛に対する偏見が強い時代でした。

現代であれば、彼らは死なずに済んだのかもしれません。

モデストが最低すぎる

ヴェルサーチを殺害した後、FBIに追われたアンドリューは、父親のモデストに助けを求めます。

(株のブローカーだったモデストは、顧客に対する詐欺でFBIに追われて、フィリピンに高飛び。そんな男になぜ電話する?)

けれど、あのモデストが息子を助けるわけがありません。

完全にお金に目がくらみます。

アンドリューがかわいそうになった瞬間でした。

アンドリューが殺人鬼になったのは全てが親のせいだとは思わないけれど・・・いや、このおやじのせいでしょう。

ミグリンの息子があの大ヒット作品に!

ミグリンの息子デュークが、ハリソン・フォード主演の映画「エアフォース・ワン」(1997年)に出演しているという台詞がありましたよね。

調べてみると確かにパイロット役で出ていました。

けれど、これを含めて3作品しか出演しておらず、俳優は辞めたようです。

エルトン・ジョンの悲劇

ヴェルサーチの葬儀には、親交のあったダイアナ元妃、エルトン・ジョン、スティング、ナオミ・キャンベルなどが参列しました。

しかし、ダイアナ元妃は約1か月後の1997年8月31日に交通事故死。

エルトン・ジョンは立て続けに友人の葬儀に参列するという悲劇に見舞われたのです。

あの人気スターが監督に!

大人気ドラマ「ホワイトカラー」でもおなじみの俳優、マット・ボマーが、第8話の監督を務めています。

第8話はアンドリューの少年時代と、彼が転落人生を送るきっかけとなった事件が描かれている重要なエピソード。

クリエイターのライアン・マーフィーから監督をしないかと話を持ち掛けられて、引き受けたんだそう。

俳優がドラマの1話のみを監督するって結構あるあるですよね。

過去にさかのぼる形でストーリーが展開するので、緊迫感はなかったです。

ヴェルサーチ暗殺は周知の事実なのでいいんですよ。

けれど、他の被害者は殺害された後も登場するので、違和感を感じました。

彼らがどうなってしまうのか知らない方がよかった・・・。

とはいえ、ダレン・クリスのなりきりぶりは素晴らしかったので、ダレンに免じて許してあげましょう。(なぜか上から目線)

後味は悪かったけれど、見終わった後、切ない気持ちになる作品でした。

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