大人気ドラマ「シャーロック」の映画化。
原作と同じヴィクトリア朝時代を舞台に、シャーロックの推理がさえわたる。
基本情報
原題名 | Sherlock:The Abominable Bride |
制作国 | イギリス |
製作年度 | 2016年 |
上映時間 | 1時間89分 |
監督 | ダグラス・マッキノン |
あらすじ
1895年、ロンドン。
花嫁姿のエミリア・リコレッティが拳銃自殺する。
だが、夫トーマス・リコレッティの前に、死んだはずのエミリアが現れ、トーマスを撃ち殺す。
エミリアは生き返ったのか?それとも・・・。
登場人物とキャスト
シャーロック・ホームズ
演:ベネディクト・カンバーバッチ(1976年7月19日生まれ)
名探偵
鹿撃ち帽とパイプがトレードマーク。
へんてこな帽子も、シャーロックがかぶるとよくお似合い。
ジョン・ワトソン
演:マーティン・フリーマン(1971年9月8日生まれ)
シャーーロック・ホームズの相棒で医師
童顔のワトソンが口ひげを生やすと、父っちゃん坊やにしか見えない。
かわいいけど似合っていないよ~。
感想(ネタバレなし)
「忌まわしき花嫁」は、イギリスではテレビドラマとして放映されましたが、日本では劇場公開されました。
日本での「シャーロック」の人気の高さがうかがえます。
ドラマでは、現代のロンドンを舞台に、シャーロックとワトソンが難事件を解決しました。
しかし「忌まわしき花嫁」は、原作と同じヴィクトリア朝時代が舞台となっていて、また違った角度で楽しむことができます。
シーズン3と4をつなぐストーリーになっているので、ドラマ未見の人は、シーズン3まで見ることをおすすめします。
そうじゃないとさっぱり理解できないので。
ストーリーは意外な展開になるので、最後まで目が離せません。
感想(ネタバレあり)
2人のコスプレが最高
19世紀のロンドンを舞台にしたこの作品。
タクシーではなく馬車。
スマートフォンやネットではなく手紙。
そして何といっても、19世紀ファッションに身を包んだシャーロックとワトソンがかっこいいです。
馬子にも衣裳?
2人のコスプレ姿が見られるなんて眼福。
そうそう、モリーの男装コスプレが意外とハンサムで似合っていましたね。
一方、マイクロフトの巨大化には笑ってしまいました。
あれはやりすぎ。
事件の真相
花嫁姿のエミリア・リコレッティが、公衆の面前で二丁拳銃を乱射した直後に自殺。
しかし、なぜかその後、夫トーマスの前に現れ、彼を射殺します。
しかも、レディー・カーマイケルの夫ユースタスの前にも現れ、彼を殺害します。
エミリアは死んだはずなのになぜ?
まず、拳銃自殺のからくりですが、銃を口に加え、撃ったふりをして、もう一丁の銃で地面を撃ちます。
目撃者たちに、自殺だと思い込ませ、よく似た別人の死体を霊安室に運びます。
検視官のモリーの協力があったので、エミリアの死体だと思わせるのは、難しいことではありませんでした。
エミリアは夫を殺した後、自殺。
実は、余命わずかだったため、死ぬことにちゅうちょはなかったんですねぇ。
そして、霊安室にあった遺体を本物とすり替えます。
ユースタスを殺したのはエミリアではなく、レディー・カーマイケルでした。
この一連の犯行は大勢の協力者がいたのです。
長年、夫に虐げられてきた女性たちの復讐でした。
結託した女性たちほど怖いものはありません。
現代なら離婚、もしくは裁判に訴えたりできますけど、当時の女性には選択肢なんてなかったですものね。
事件が解決して、めでたし、めでたしという単純なものではなかったです。
フェミニズムがテーマだった!
1895年のイギリスは、まだ女性に選挙権はなく、男性優位社会。
男女平等の普通選挙が実現するのは1928年になので、当時の女性の地位がいかに低かったか想像がつきます。
男たちに罰を与えるために立ち上がった女性たちが犯人という、時代の世相を反映したフェミニズム作品でした。
総評
最近「ゴシック・ホラー」というジャンルの映画を見ることがあまりなかったので、重厚感があってよかったです。
ただ、シリアス一辺倒で、シャーロックとワトソンの夫婦漫才がなかったのが少し残念。
後半は現代と19世紀を行ったり来たりするので、混乱する人もいたのでは?
シャーロックの精神状態が危ういです。
さて、現実世界に戻ってきたシャーロック。
モリアーティは生き返ったのか?
もしそうだとしたら落胆。
「実は生きていました」サプライズはシャーロックだけで十分。
二匹目のどじょうはいりません。
とにもかくにも次シーズンでラスト。
楽しみだけど、終わってほしくない・・・。
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