メイドの手帖 感想 ネタバレなし&あり

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社会の底辺で生きる主人公の姿に胸を打たれるヒューマンドラマ。
アメリカのリアルを垣間見ることができる良作です。

原題名Maid
制作国アメリカ
製作年度2021年
エピソード数10エピソード

主人公のアレックスは、夫のDVから逃れるために、娘のマディと共に家を飛び出す。

家の掃除をするメイドとして働き始めるが、次々と苦難が待ち受けるのだった。

アレックス・ラッセル

演:マーガレット・クアリー(1994年10月23日生まれ)

シングルマザー

何をやってもうまくいかない。

弱り目にたたり目状態です。

誰か早くこの母娘を救ってほしい。

アレックスを演じるマーガレット・クアリーと、ポーラ役のアンディ・マクダウェルは実の親子です。

そっくりですねぇ~。

モデルとしても活躍しているのでスタイル抜群。

長い手足でお掃除する姿が何だかシュール。

ポーラ・ラングリー

演:アンディ・マクダウェル(1958年4月21日生まれ)

アレックスの母

アレックスの足を引っ張るようなことばかりしでかします。

もういい加減にして!と何度思ったことか・・・。

ポーラを演じるアンディ・マクダウェルは、ロングのカーリーヘアがトレードマークの俳優です。

「グリーンカード」「恋はデジャ・ブ」「フォーウェディング」と90年代、大ヒット作に次々と出演。

久しぶりに見たアンディは、グレイヘアになったものの、あいかわらずロングのカーリーヘアで、容姿やスタイルは昔と変わっていませんでした。

ショーン・ボイド

演:ニック・ロビンソン(1995年3月22日生まれ)

アレックスの夫

見た目が爽やかイケメンなので、DV夫との落差がすごい。

ステファニー・ランド原作「メイドの手帖 最低賃金でトイレを掃除し「書くこと」で自らを救ったシングルマザーの物語」のドラマ化です。

夫のDVから逃げ出した主人公のアレックスと娘のマディ。

若くして妊娠したので、学歴も職歴もなし。

仕方なく掃除の仕事を始めるんですが、これが想像以上に大変。

それだけでなく、親権問題や母の世話など、次から次へと苦難が待ち受けます。

アレックスのような女性は現実にたくさんいるんですよね。

ドラマの放送後は、DVホットラインが歴代最も多くの通報を受けたそうです。

ピラミッドの最下層でもがくアレックスが、どうやって娘と共に生きていくのか?

希望を持てる日は来るのか?

ヒューマンドラマの良作です。

清掃の仕事

日本の清掃の仕事をイメージしていたら大間違い。

何たってアメリカは広い。

しかも車社会。

個人宅の清掃に、車で行かなければならないんですよね。

ガソリン代や駐車代、制服や掃除用具は自己負担。

12ドルの時給なので、手元に残るのはほんのわずか。

ブラックすぎます。

会社を訴えてもいいレベルなんじゃないですか。

かろうじて掃除機は借りれるんですが、これがとてつもなく重い。

腰痛になってしまいます。

日本では普通ですけど、アメリカでは清掃って底辺の仕事のようなんですよね。

露骨に見下されていましたもの。

日本だと選り好みさえしなければ、アルバイトの仕事はいくらでもあるじゃないですか。

アメリカの方がシビアなんだなと感じました。

精神的DV

アレックスが受けていたのは精神的DV。

普通は殴る、蹴るといった身体的DVが思い浮かびますけど、言葉による暴力も犯罪なんですよね。

アレックス自身も自分がDVの被害者だなんて最初は気付いていませんでした。

夫ショーンは、DV夫にありがちの、暴力を振るった後、急に優しくなるタイプなのでたちが悪い。

こういう男に限って、親権を巡って裁判を起こすのだからいやになります。

裁判で単独親権を勝ち取るのに必要なのはやはり「優秀な弁護士」でしょう。

親しくなったセレブ弁護士レジーナが、専門の弁護士を紹介(しかも無料)してくれたおかげで、裁判に勝てたのはラッキーでした。

普通は、無報酬で一流の弁護士が働いてくれるなんてなかなかありませんから。

それはそうと、私が気になったのは、福祉事務所のソーシャルワーカーです。

ものすごく感じの悪いおばさん!

毎日、アレックスのような立場の人が来るので、いちいち優しくしていられないのかもしれない。

けれど、社会的弱者の窓口になっているのだから、もっと親身になってほしかったです。

その点、DV被害者のシェルターの責任者である高齢女性デニースの優しさは身にしみました。

彼女自身も辛い経験をしているので、アレックスに寄り添うことができるんですよね。

デニースのような人がたくさんいる社会であってくれればいいのにと願わずにはいられませんでした。

子供は親を選べない

そもそもアレックスの両親がまともなら、路頭に迷うこともなかったんですよ。

母親のポーラは、孫のマディを預かるという簡単なこともできない。

男に依存しては失敗するということの繰り返し。

精神疾患を患っているとはいえ、彼女の行動にはかなりいら立ちました。

父親のハンクは再婚していて、一見まともそうな人物に見えました。

しかし、これがとんでもない男だった!

彼もDV夫だったことが判明。

しかも類は友を呼ぶのか、ショーンの味方をするクズ男でした。

アレックスの不幸は、家族に恵まれなかったことでしょうね。

芸は身を助ける

清掃員としての体験を書くことで、文才があることに気付いたアレックス。

どんな人間も特別な才能を与えられて生まれてきます。

けれど、ほとんどの人が自分に何の才能があるのか気付かずに、人生を終えてしまいます。

スポーツ選手や芸術家などは、生まれつき特別な才能があったのではなくて、たまたま運よく見つけることができただけ。

アレックスは才能を見つけられてラッキーでした。

アレックスのその後がどうなったのか気になった人も多いのでは?

原作者ステファニー・ランドの実体験に基づいた作品なので、アレックスというよりステファニーの現在が気になるところ。

ステファニーは大学を卒業後、フリーライターとして活躍。

現在は再婚し、夫と2人の娘と暮らしているそうです。

幸せそうで何よりでした。

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