ドラマ「レッスン in ケミストリー」感想 ネタバレなし&あり

料理は化学。
さあ子供たち、お母さんを手伝ってあげて。

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原題名Lessons In Chemistry
制作国アメリカ
製作年度2023年
エピソード数8エピソード

1950年代のアメリカ。

エリザベスは有能な科学者でありながら、男性中心の社会でその才能を発揮することができず苦悶していた。

そんな中、エリザベスは料理番組のホストという新たな挑戦に取り組む。

番組はただのレシピ紹介にとどまらず、科学の知識を利用して料理を説明することで、多くの視聴者の心をつかむのだった。

エリザベス・ゾット [科学者/料理番組のホスト]

演:ブリー・ラーソン(1989年10月1日生まれ)


ブリー・ラーソンは、映画「ルーム」でアカデミー賞とゴールデングローブ賞の主演女優賞を受賞。

演技派の道を進むのかと思いきや「キャプテン・マーベル」で、アメコミ映画に出演。

(個人的には面白くない映画だった・・・)

今作では50年代を生きる自立した女性を見事に演じています。

しかも、銀幕のスターのグレース・ケリーそっくりで美しい。

カルヴィン・エヴァンス [科学者]

演:ルイス・プルマン(1993年1月29日生まれ)


ルイス・プルマン・・・プルマン・・・。

主に90年代に活躍した俳優ビル・プルマンの息子です。

映画「トップガン マーヴェリック」の眼鏡君でピンときた人も少なくないはず。

今作ではあっと驚く出来事が彼を待ち受けています。

ハリエット・スローン [エリザベスとカルヴィンの隣人]

演:アヤ・ナオミ・キング(1985年1月11日生まれ)


アヤ・ナオミ・キングってどこかで見たことがある・・・。

なかなか思い出せなかったので調べてみたら、人気TVドラマ「殺人を無罪にする方法」の法学生ミカエラではありませんか。

今作では50年代の2児の母親を演じていたので気がつきませんでした。

エリザベスとカルヴィンの良き友になるハリエット役で、すがすがしい印象を残します。

「レッスン in ケミストリー」は1950年代を背景に、女性の科学者エリザベス・ゾットの半生を描いています。

エリザベスは科学者としての夢を抱いていましたが、性差別が原因で夢破れます。

生活費を稼ぐために、料理番組のホストとして新たなキャリアをスタート。

その中で女性たちに、料理だけでなく科学の重要性や、自分らしく生きるべきだとメッセージを送ります。

夢や目標を追い求める素晴らしさを描いたおすすめの作品です。

有名な女性科学者はキュリーだけ

作中で「有名な女性科学者は誰?」との問いに、マリー・キュリーの名前しか浮かばないというシーンがあります。

マリー・キュリー(1867~1934年)は、ポーランド生まれのフランスの物理学者・科学者。

1903年、第3回ノーベル物理学賞を、夫のピエールと共に受賞。

1911年、第11回ノーベル化学賞を、女性として最初の、さらに史上初の2度のノーベル受賞者となりました。

1901年に始まったノーベル賞ですが、120年以上経った今でも、物理学賞もしくは化学賞を受賞した女性は数人しかいません。

その中に日本人女性の名前はなし。

それどころか6部門あるノーベル賞(生理学・医学賞/物理学賞/化学賞/文学賞/経済学賞)を受賞した日本人女性はいないというのが現実です。

今作は1950年代の女性の社会進出がいかに難しかったかということを描いています。

けれど、日本は2020年代になってもまだ女性の活躍の場が少ないのかもしれません。

不愛想で何が悪い

エリザベスは不愛想で、人に媚びない女性として登場します。

料理番組のホストなのに、一切笑わないのが面白い。

スポンサーの商品に対して文句を言うシーン・・・最高です。

女はニコニコ笑っていればいいという風潮にノーを突きつけていて、非常に小気味良いです。

しかし、これは美人のエリザベスだから許されるわけで、不細工だったらもっと叩かれそう。

ご近所さんが最高!

エリザベスとカルヴィンの近所に住んでいる黒人女性のハリエットがとてもかっこいい。

エリザベスは性差別に苦しみますが、ハリエットは人種差別と性差別の両方と戦わなくてはなりません。

高速道路建設に反対する活動家でもあるハリエットの毅然とした態度は、エリザベスの良き模範となります。

ただ1つ気になったことが。

最終話で道路建設が可決され、ハリエットの長年の活動が報われず。

フィクションなのになぜ?

モフモフ犬 シックス・サーティ

エリザベスはひょんなことから野良犬を拾い、シックス・サーティと名付けます。

カルヴィンから「炭素と亜鉛の原子番号なの?(炭素の原子番号は6、亜鉛の原子番号は30)と言われますが、いやはや、科学オタクらしくて面白い。

本当は毎朝6時30分に起こされるからなんですけどね。

けれど、カルヴィンがシックス・サーティの散歩中に、バスにはねられ死んでしまいます。

そこから第3話が何と突然の犬目線。

シックス・サーティがしゃべりだします。(もちろん彼の心の中でです)

けれど、シックス・サーティがしゃべるのは第3話のみ。

以降、出番が減っていくのがちょっと残念でした。

モフモフに癒されたいっ!

カルヴィンの出生の秘密

最初は反目し合っていたエリザベスとカルヴィン。

けれど、徐々に愛し合うようになり、同棲を始めます。

しかし、そんな幸せもつかの間、カルヴィンが第2話で死んでしまうという衝撃の展開が!

しかも、エリザベスのお腹にはカルヴィンの子供が・・・。

やがて月日が過ぎ、小学生になった娘のマッドは、自身のルーツを調べることになります。

ここからまさかのカルヴィンに関する出生の秘密が明らかになっていくんですよね。

感動的ではあったけれど、とんとん拍子すぎるのではないかという面も。

カルヴィンの実母は実はお金持ちで、科学者を支援するレムセン財団の代表者でした。

料理番組のホストを辞めたエリザベスは、レムセン財団の援助で、科学者として生きることに。

ハリエットの夢は叶わなかったのに、エリザベスの夢は叶うんだ・・・。

いやいや、終わり良ければ全て良しということで、細かいことは気にしたらいけません。

エリザベスもマッドも幸せになれたのだからいいじゃありませんか。

ただ1つ心残りがあるとすれば、カルヴィンにお母さんを会わせてあげたかった!

運命のいたずらで結局会うことができなかったのは残念です。

このまま料理番組のホストとして終わってしまうのではないかと危惧しましたが、ラストでまさかのドンデン返し。

多少の強引さはあったものの、心温まる作品でした。

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