エノーラ・ホームズの事件簿 感想 ネタバレなし&あり

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世界一の名探偵シャーロック・ホームズの妹エノーラの大冒険!
お気楽なティーン映画かと思いきや、意外とシリアスだった。

原題名Enola Holmes
制作国イギリス
製作年度2020年
上映時間2時間3分
監督ハリー・ブラッドビア

1884年、イギリス。

エノーラの16歳の誕生日に母親のユードリアが失踪。

母親を探すため単身ロンドンに向かう。

だが、旅の途中で若き侯爵と出会ったことで陰謀に巻き込まれていく。

エノーラ・ホームズ

演:ミリー・ボビー・ブラウン(2004年2月19日生まれ)

ホームズ家の末っ子

自立心旺盛で、冒険心に富んだエノーラ・ホームズを、みずみずしく演じています。

若手女優の中でも、演技力は折り紙付き。

美人ではないけれど、コケティッシュな魅力で見る者を魅了します。

エノーラを演じるミリー・ボビー・ブラウンは、NETFLIXドラマ「ストレンジャー・シングス」のエル役で人気が爆発しました。

子供の頃から業界にいるせいか、年齢の割に大人びた雰囲気です。

まだ若いのに、ほうれい線がある・・・。

マイクロフト・ホームズ

演:サム・クラフリン(1986年6月27日生まれ)

ホームズ家の長男で政府の役人

典型的な「ザ・昔の長男」

堅物で鼻持ちならないお兄さんです。

まぁ、昔の長男ってこんなものよね。

マイクロフトを演じるサム・クラフリンは、最近ちと頭髪が・・・。

あっ!!私の独り言なので、読まなかったことにして下さい・・・。

シャーロック・ホームズ

演:ヘンリー・カヴィル(1983年5月5日生まれ)

ホームズ家の次男で名探偵

探偵だからなのか次男だからなのか分かりませんが、マイクロフトと比べると柔和な考えを持つお兄さん。

シャーロックといえば「変人」なんですけど、まともに見えるのが新鮮。

シャーロックを演じるヘンリー・カヴィルは、マッチョ俳優ではないのに、マッチョ界になぜか君臨。

スーツを着ていても、胸板の厚さが分かってしまう貴重な存在です。

テュークスベリー・バジルウェザー侯爵1(舌をかみそうな名前)

演:ルイス・パートリッジ(2003年6月3日生まれ)

貴族のお坊ちゃま

最初は、いかにも「ボンボン」といった雰囲気で頼りなかったけれど、徐々に男らしい一面を見出てくれるのがいいですね。

テュークスベリーを演じるルイス・パートリッジは、まだこれからという俳優なので、将来が楽しみ。

  1. 五等爵(公・候・伯・子・男)なので上から2番目 ↩︎

ユードリア・ホームズ

演:ヘレナ・ボナム・カーター(1966年5月26日生まれ)

マイクロフト、シャーロック、エノーラの母

当時の母親像からは大きくかけ離れた進歩的なお母さん。

マイクロフトとシャーロックの母親には見えません。

兄2人とエノーラの年齢が離れすぎていませんか?

一体何があった?

ユードリアを演じるヘレナ・ボナム・カーターは、エキセントリックな役を演じることが多いです。

若い頃は、深窓の佳人といった雰囲気だったんですけどね・・・。

ナンシー・スプリンガー原作の「エノーラ・ホームズの事件簿」シリーズの映画化です。

あのシャーロック・ホームズに妹がいたという設定なのが面白い!

エノーラの2人の兄、マイクロフトとシャーロックも登場して、やんちゃな妹に手を焼くことになります。

失踪した母親を探すという単なる冒険活劇ではなく、「平等」や「権利」といった深いテーマが織り込まれているのが特徴。

それゆえ、幅広い年代の人に楽しめる映画です。

エノーラ・ホームズの魅力

19世紀後半のイギリスといえば、女性に選挙権はなく男性優位社会。

そんな中、エノーラは母親から1人でも生きていけるすべを、幼い頃からたたき込まれます。

母が失踪してもメソメソ泣くわけでもなく、大都会ロンドンへと向かう行動力。

まだ16歳ですよ。

バイタリティにあふれたエノーラがとても魅力的。

あの世界一有名な名探偵シャーロック・ホームズですら、エノーラの前では「添え物」扱い。

時々、カメラに向かって話しかける演出も、一歩間違えればうっとおしくなります。

けれど、エノーラの場合は、視聴者との距離を縮めるのに一役買っていて気になりません。

エノーラと同世代の人は共感を、そうじゃない人は彼女を応援したくなる映画です。

なぜユードリアは失踪したのか?

娘の16歳の誕生日に失踪するなんて、ひどい母親!と最初は思いましたよ。

使用人や年の離れた兄がいるとはいえまだ子供。

一体どんな事情があるのかと思ったら、女性の権利向上のために戦っていたんですねぇ。

ただ、男女平等の普通選挙が実現するのは1928年。

44年後になります。

ユードリアの年齢を考えると、それまでに生きている可能性は非常に低いです。

本人も突然、社会が変わるとは思っていなかったはず。

けれど、将来、娘や孫娘たちが生きやすい世の中を作るために頑張っていたんですね。

過激なママだと思っていたけれど、本当は高い志を持った女性だったようです。

何だか泣けてきます。

テュークスベリーが命を狙われる理由

エノーラが旅の途中で出会うハンサムな侯爵テュークスベリー・バジルウェザー。

その彼が命を狙われ、エノーラもそれに巻き込まれることになります。

最初は「世間知らずのお坊ちゃま」なのかと思っていたんですけど、しっかりした考えを持った青年だということが後に分かります。

命を狙われる理由が、改正法案に賛成だから。

改正法案とは、今まで身分の高い男性にしかなかった選挙権を、労働者階級にも与えるという法案のこと。

一体誰が黒幕なのかと思ったら、まさかのテュークスベリーの祖母!でした。

えぇ!!

かわいい孫を?!

古い価値観を持った祖母にしてみれば、貴族社会を守りたかった。

だから、賛成票を投じる孫を消したかったんです。

けれど、あまりにも過激すぎてこれは納得がいきませんでした。

ハンサムな貴族の青年とのロマンスがふんだんに描かれるのかと思いきや、意外と内容はシリアスでした。

続編もあるので、次作はラブロマンス路線でいくのか、それともシリアス路線なのか、どちらにしろエノーラから目が離せません。

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