小説「アクロイド殺し」ネタバレなしの感想

真犯人がまさか〇〇だったなんて!
それってあり?

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著者アガサ・クリスティ
原題The Murder of Roger Ackroyd
訳者羽田詩津子
発行所早川書房
発行年2003年
Audibleあり

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キングズ・パドック屋敷の未亡人フェラーズ夫人が自殺する。

彼女は死の直前、恋人で裕福な地主のロジャー・アクロイドに「夫を毒殺した過去」と「その件で脅迫を受けていること」を告白。

その後、彼女から届いた手紙には脅迫者の名前が記されていたが、アクロイドはその手紙を読み終える前に何者かに刺殺される。

名探偵エルキュール・ポアロが事件解決に乗り出すが、捜査が進む中、関係者たちの秘密や複雑な人間関係が明らかになるのだった。

アガサ・クリスティは、1890年にイギリスのデヴォン州で生まれた世界的に有名な推理作家です。

「ミステリーの女王」として知られ、1920年に「スタイルズ荘の怪事件」で作家デビューを果たしました。

クリスティは生涯で100冊以上の長編、短編、戯曲を執筆し、エルキュール・ポアロやミス・マープルといった名探偵を生み出しました。

クリスティの作品は多くの言語に翻訳され、世界中で愛されています。

「アクロイド殺し」は1926年に発売された<名探偵ポアロ>シリーズの3番目の長編推理小説です。

「アクロイド殺し」について

ムムム・・・。

あまりにも有名な作品なので、小説を読む前にうっかり真犯人を知ってしまった・・・。

真犯人を知った上で読むのってどうなんだろう?

これは伏線を楽しむしかない。

そう思って読み始めた「アクロイド殺し」

ちょっと笑っちゃいました。

伏線も何も、真犯人はやたら名探偵ポアロの動向を気にしているんですよね。

これは真犯人を知らずに読んでも、途中で気づく可能性はあったかも。

この〇〇が犯人というのは当時、賛否両論を巻き起こしました。

確かに二度と使えない手法ですよね。

「アンフェア」じゃないと評されるのも納得です。

けれど、本作はネタバレありで読んでも十分に楽しめる内容でした。

というのも名探偵ポアロと、うわさ好きの女性キャロラインとの駆け引きが面白い!

キャロラインの詮索を巧みにかわすポアロ。

ポアロは完全に楽しんでいます。

ストーリーの合間に2人のやり取りが挟まれるので飽きないです。

こういうおばさんって、いつの時代もどこの国にも必ずいるんですよね。

特に関西のおばさんは、キャロラインみたいな人ばかりだと思う。

ネタバレありで読んでも、ポアロとキャロラインの2人のシーンが楽しめるのでおすすめです。

どうした、ポアロ!?

本作のポアロは作中で意外な行動を取り、読者を驚かせます。

その1 カボチャを投げ飛ばした!

引退したポアロは、キングズ・アボット村でカボチャを栽培することに。

けれど、カボチャに腹を立てて、塀から投げ飛ばします。

カボチャは隣人の耳元をかすめるという、一歩間違えれば「アクロイド殺し」ではなく「隣人殺し」になるところでした。

カボチャで頭をかち割られて死んだ人って今までいたんでしょうか?

その2 真犯人と2人きりになる

容疑者全員を集めて真犯人をその場で指し示していたポアロ。

しかし、本作では真犯人とあえて2人きりになり「あなたが犯人です」と告げます。

これについては理由があるのですが、それは読んでのお楽しみ。

その3 真犯人に自首を促さない

何とポアロが真犯人に対して、自首以外の方法を提案するんですよね。

それに対して真犯人もその通りにします。

なぜポアロはそんな提案をしたのか?

なぜ真犯人は提案を受け入れたのか?

これも読んでのお楽しみ。

真犯人は最後に「エルキュール・ポアロが仕事を引退して、カボチャ栽培のためになどにここに来なければよかったのに、と思う」と心の中でつぶやきます。

確かにポアロがいなければ、完全犯罪をやってのけたところでした。

「アクロイド殺し」は、真犯人を知っていても知らなくても楽しめる作品です。

そろそろ読んでみませんか?

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