ドラマ「11/22/63」感想 ネタバレなし&あり

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タイムスリップ作品にハズレなしのおすすめのドラマ。
ラストが切ない・・・。

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原題名11.22.63
制作国アメリカ
製作年度2016年
エピソード数8エピソード

国語教師のジェイク・エッピングは、行きつけのダイナーの主人アルから、過去に戻ることができる秘密の扉を教えられる。

ジェイクは1960年にタイムスリップし、ケネディ大統領の暗殺を阻止するという使命を引き継ぐ。

ジェイク・エッピング

演:ジェームズ・フランコ(1978年4月19日生まれ)

国語教師。

ケネディ大統領を救うために過去へ。

寄り道が多すぎる。

ジェイクを演じるジェームズ・フランコは、元々原作のファン。

だからなのか、制作と第5話の監督を務めています。

セイディ・ダンヒル

演:サラ・ガドン(1987年4月4日生まれ)

高校の司書。

美しい・・・。

ジェイクが寄り道してしまうのも無理はありません。

セイディを演じるサラ・ガドンは、2017年に「世界で最も美しい顔100」の4位に選出されました。

60年代ファッションが実によくお似合い。

アル・テンプルトン

演:クリス・クーパー(1951年7月9日生まれ)

ダイナーの主人。

世界を変えるためにタイムスリップを繰り返す男。

果たして報われるのか?

アルを演じるクリス・クーパーは、渋い演技に定評がある名バイプレイヤーです。

出番は少ないけれど、強烈な印象を残しているのはさすが。

ベストセラー作家スティーブン・キング原作「11/22/63」のドラマ化です。

ケネディ大統領の暗殺を阻止するために、主人公ジェイクがタイムスリップ。

まさかの展開が待ち受けています。

それだけでなく、過去で出会う司書セイディとの恋も描かれていて、ラストは思わず涙。

サスペンスとしてだけではなく、ラブストーリーとしても楽しめる良作です。

タイムスリップのルール

タイムスリップするにあたってのルールが意外と細かいです。

● タイムスリップする度、過去の歴史がリセットされる。

(また一からやり直さなければいけないので、結構面倒くさい)

● タイムスリップする時代は必ず1960年である。

(暗殺まで3年もあるじゃないですか。準備期間は必要だけれど、長すぎます。それまで一体何をしていればいいの?)

● 過去でどんなに長い時間を過ごしても、現代ではわずか2分しか経過していない。

(2分だけだと、姿を消したことを怪しまれずに済みますね)

過去を変えようとすると必ず邪魔が入る。

(これはタイムスリップあるあるですね。過去を変えることによって、関係のない人が巻き添えを食らうことになります)  

他のルールはともかく、タイムスリップする時期が選べないというのはつらい。

暗殺の当日にやって来て、さっさとオズワルドを捕まえたいものです。

完全に無計画ですけど、寄り道せずに済みます。

ケネディ大統領が好きすぎるアメリカ人

アメリカ人ってケネディ大統領が好きですよね。

普通タイムスリップする時って、自分の家族を救いたい場合が多いじゃないですか。

けれど、ケネディ大統領を救いたいというのがアメリカ人らしいです。

ダイナーの主人アルによると、彼が生きていればベトナム戦争もなく、弟のロバート・ケネディも暗殺されない。

この世界は今よりずっと良くなっているらしい。

てなわけで、病死したアルの代わりにジェイクが過去へ行きます。

そして意外なことに、暗殺を阻止することに成功してしまうんです。

めでたし、めでたしと思いきや、現代に戻ると世界が崩壊していたという皮肉な結末に・・・。

作者があのスティーブン・キングですよ。

そんな簡単に終わるわけがありません。

アメリカ人のケネディ賛美に警鐘を鳴らしています。

疑問点

回を追うごとにつれ、疑問点がいくつか浮上。

● 疑問点その1 ジェイクの動機

ジェイクがなぜ危険を冒してまでタイムスリップしたのか、動機がいまいち分かりませんでした。

アルはまだ理解できるんですよ。

けれど、1978年生まれのジェイクにとっては、ケネディ大統領もベトナム戦争も単なる過去でしかありません。

いくらアルに頼まれたからといって引き受けるのは不自然です。

国語教師として何ひとつ不満のない生活を送っているのに、命がけの任務を遂行するなんて理解に苦しみました。

● 疑問点その2 謎の男

ジェイクをつけ回す謎の男の正体は、タイムトラベラーでした。

溺死した娘を救うために、何度もタイムスリップを繰り返していたんです。

愛娘を救うという至極正当な理由だっただけに、彼がその後どうなったのか気になります。

けれど、まさか放置とは・・・。

タイムスリップに矛盾はつきものですが、詳しい説明がないとモヤモヤします。

セイディとの恋

ジェイクが過去で出会うのが、美しい司書のセイディです。

これはまずい。

ジェイクは未来の人間なのだから、深入りするのはだめでしょう。

けれど、相手はあの薄幸の美女セイディ。

案の定恋人同士になってしまいます。

それだけでなく、自分の正体をペラペラしゃべってしまいます。

後先を考えない口の軽い男なのね。

とにもかくにもセイディと共にケネディ大統領暗殺を阻止。

意外とあっさり成功してしまいますが、セイディは流れ弾に当たって死んでしまいます。

あげくに現代に戻ったら世界は崩壊。

ほら、言わんこっちゃない。

ルールに従ってもう一度過去に戻り、セイディの人生に介入することも、暗殺することもなく世界をリセットし直します。

さて、2016年の現代。

セイディは生きているのか、ジェイクじゃなくても気になりますよね。

1960年代に20代だったということは、生きていれば70代に。

ネットで調べると、名誉州民として祝賀会が開かれることが分かります。

これはもう会いに行くっきゃないでしょう。

上品で美しいおばあさんになっていたセイディ。

無残な姿になっていなくてひと安心です。

もちろんセイディは、ジェイクの顔を見ても誰なのか分かりません。

2人でダンスをするシーンがこの上なく美しく切なかったです。

幸せな人生だったか尋ねるジェイク。

大好きな司書の仕事につけて、とても幸せだったと答えるセイディ。

このシーンは涙腺崩壊でした。

正直に言うと、中だるみする部分や疑問に思うことが多々あったけれど、終わり良ければ全て良し!でいいんじゃないですか。

ドラマ史上、10本の指に入る最も美しいラストでした。

疑問は色々ありましたが、ラストのセイディとのダンスシーンで全部帳消しです。

この美しいラストがなければ、物足りない作品になっていたかもしれません。

タイムスリップの教訓「過去は変えるな」

この一言に尽きます。